東京では商業施設がどんどんオープンしています。そうした施設は多くの場合、地下にも物販、飲食店が広がっていますね。日本ほど地下が街のように大きいところはそうありません。世界のほかの国では地下街は充実しているのでしょうか?けさは、韓国ソウル、そしてカナダ モントリオールに電話をつなぎ、お話を聞きます。

カナダ モントリオールの原山尚子さん。

Q モントリオールは世界一広い商店街があるそうですが?

A モントリオールの地下鉄の7つの駅、通勤列車駅の2駅、バスターミナルという交通機関が地下で繋がっています。そしてショッピングセンター、ホテル、マンション、銀行、会社、博物館、大学、ベルセンター・アリーナという競技場など、非常に多くの施設に接続しています。薄暗くてひんやりとした地下というイメージとは違い、照明だけでなく地上からの採光、空調も整っていて、建物の中と同じような感覚のインドアのショッピングモールのような場所も多いです。総延長は30km以上にもなり、とにかく長くて迷います。

Q いつも賑わっているのですか?

A いつも賑わっているのですが、ちなみに今の時期はお昼でも氷点下で、寒い時は、外を歩かず地下街を通ため、地下街を使う人がもっとふえて、一日に約50万人が利用するともいわれます。

Q 地下のお店にはどんなものがありますか?

A さまざまな種類のお店がありますが、100円ショップやボディケアのお店などが目立ちます。またスターバックス、ドーナツやさん、フードコートなんかも多いです。モントリオールは比較的テイクアウトできたりするB級グルメみたいなものが盛んですね。最近手打ちうどんを地元の人が作っているのを見ました(笑)

韓国 ソウル ヤン・ジョンミさん

Q ソウルでは地下街は広いんですか?

A かつては活気あふれていたのですが、今はガランとしています。というのも、ソウルの年平均地下鉄利用客数は25億6200万人にのぼります。一時、地下鉄が主要商圏として脚光を浴びたのも、このように膨大な流動人口のおかげでした。しかし、最近は複合ショッピングモールやアウトレットなどが大衆化した上、オンラインショッピングが活性化したため、地下商店街でショッピングをする人々は減ってきています。とはいえ、江南駅、高速ターミナル駅、明洞駅、蚕室駅など、ソウル市内の流動人口が多い地域の地下商店街には化粧品、雑貨、カフェやおやつ、衣類、化粧品、コンビニなどが主な業種として位置しています。

Q ソウルで地下に商店街が開けていったのはどのような背景からですか?

A 地下商店街が人気を集めるようになったのは、2004年にコスメブランド「ザ・フェイスショップ」が地下鉄と繋がる地下商店街に売場をオープンし、ブランドの認知度を一気に引き上げたおかげです。以後、化粧品だけでなくコンビニやカフェなどが地下鉄の商店街に入るために競争を繰り広げ、大企業まで入札して賃貸料が大幅に上がりました。実際に、今も人気の地下街は賃貸料も高くプレミアム付きが多いです。

でも、最近オンラインショッピングとモバイルショッピングが人気を得て、買い物よりはカフェや軽食メニューの食堂が多く人気を集めています。忙しい出退勤時間に朝食として食べられるものを買い求めるサラリーマンが増え、場所のいいところはほとんど飲食店が入る傾向に変わり、アクセサリーや化粧品、衣類販売の売場は減ってパン、キムパ(のり巻き)などのテイクアウトできるコーヒーショップなどが増えています。また、明洞のように観光客がよく訪れる地下街を除いては、食べ物系も消費者たちが好む大型フランチャイズ店やチェーン店を中心に盛んです。