「夜のニュース番組」、ご覧になっていますか??キャスターが変わって話題になっている番組もありますが・・・日本の「夜のニュース番組」といえば、最近はタレントさんがキャスターを担当することも増えてきましたよね。また、リアルタイムにSNSと連動して視聴者のコメントをテロップに表示したり、演出の面でもだいぶ変化してきています。さて、海外の「夜のニュース番組」はどんな感じなのでしょうか?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。

「夜の報道番組は多くの人が観るものですか??」

●アメリカ ニューヨーク 津山 恵子さん

「テレビの報道番組にも市場原理が働いている」

イタリア フィレンツェ 小泉 真樹さん

「報道というより、娯楽に近い 」

●アメリカ ニューヨーク 津山 恵子さん

Q 夜の報道番組も視聴者獲得に必死ということですか?

  • A トランプ氏が大統領になってから、FOX News, MSNBC, CNNなどケーブルニュース局の視聴率は、上がっています。保守系のFOX Newsは、トランプ氏よりの報道が売りなので、トランプ支持者が見ていて、視聴者数はトップ。リベラルなMSNBCは、リベラル派市民が支援して見ているので、2位。トランプ氏と対立を強めているCNNは、最下位です。プライムタイムの視聴者数は、FOX News 240万人、MSNBC 167万人、CNN 89万人です。 ただ、「中立」ではないことは、アメリカでは批判しにくいです。建国時、新聞が発行された時から、政治色が強く、それを市民が受け入れたし、今ではメディアは政治色があるのを当たり前だと思っているからです。だから、ケーブルニュースは特に政治色を強く出す、それで視聴者を獲得する市場主義で成立してきました。実は、今の市民の分断を産んだのは、テレビではありません。なぜなら、プライムタイムの視聴者数で見られるように、数は多くはないし、若者はケーブルニュースを契約していません。テレビは全然見ません。すべてオンラインのニュースやビデオで見ています。分断を呼んでいるのは、オンラインニュースのカスタマイズ化で、メディア業界では大きな問題になっています。私も、アップルのニューズアプリは、カスタマイズしていないのですが、アルゴリスムが、私がリベラル系のニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストをよく読むことを知っていて、「おすすめ」してきます。こうしたニュースアプリの「おすすめ」機能が、保守の人には保守系ニュースを、リベラルな人にはリベラル系ニュースだけを読ませるために、幅広いニュースの読み方ができず、分断につながっています。

JK :そうした中、従来、力を持っていたニュースキャスターの役割はどうなっているのでしょう?

A テレビが見られていないことと、1時間ごとにアンカーが変わる番組の 構成によって、アンカーの影響力は落ちています。昔のように名アンカーというのはいなくなりました。ただ、アンカーの存在が、「保守」「リベラル」の象徴のようになっていて、FOX Newsのアンカーが、レストランに入るのを断られるケースなどが出てきています。これは憂慮されることです。

●イタリア フィレンツェ 小泉 真樹さん

Q イタリアは報道番組でもおおらかなイメージがあります。

A イタリアの報道番組は、割と何年も前のNHKのニュースという感じでキャスターも1人(日本のように何人も並んで、というニュースは見たことありません)だけで、ジャーナリスト然としているおじさんか妙齢の女性キャスターが殆どの王道を行く報道番組という感じです。タレント、アイドル的な若い女の子(とはいえ、可愛らしい感じは全くイタリアではウケないので、ミニスカートで胸元が思いっきり開いた完全にセクシー路線ですが)はどちらかというとサッカー番組の取りまとめやスポーツ系のインタビューに使われることが多いです。ただ上記の妙齢の女性キャスターも露出度は日本に比べたら高く、少し前に民放のキャスターで割と若い女性でしたが、ガラスのテーブルだったのを忘れてミニスカートで足を広げてしまう失態を犯し話題になったり、女性キャスターの露出度は他のテレビ番組と変わらず話題になりがちです。ちなみにお天気予報は可愛いお天気お姉さんではなくミリタリーの制服を着たおじさんが出てくることが多いです。