この番組で何度もご紹介してきました、映画「Crazy Rich Asians」。出演するキャストが全員アジア系という、ハリウッドでも異例の作品、異例のヒットということで話題ですが、いよいよ、日本でも「クレイジー・リッチ!」というタイトルで、きょうから公開となります。作品については、この後9時台の「WEEKEND RADAR」のコーナーで詳しくご紹介しますが、この時間は、超お金持ち=クレイジー・リッチのリアル版について探ってみましょう。あの国のあの町にはどんな大富豪がいるのでしょう?そのクレイジーぶりはどのようなものなのか?けさも2つの国の通信員に電話をつないでお話を伺います。

「度肝を抜くほどのお金持ちはいるのでしょうか?」という質問です。

ロシア モスクワ 柴田 顕さん「多い」

中国 上海 松田奈月さん「増えてきている」

●ロシア モスクワ 柴田顕さん

Q 大金持ちは多いんですね?

A ロシアの産業と言えばガスや鉄鋼です。それらの会社のオーナーは世界でも有数の大富豪で、特にガス会社「ノヴァテク」のレオニード・ミヘルソン氏は資産が180億ドル(およそ2兆290億円)あるそうです。そういえば最近7月にとても変わったロシアの船が唐津にやってきたそうですね。これもロシアの大富豪が所有するメガヨットAという船で所有者はアンドレイ・メルニチェンコ氏です。資産は155億ドル。当然彼はロシアに邸宅を持っているのですが、大の海好きなので、所有するメガヨットの上でほとんど暮らしています。資産の一部を慈善事業に回しているそうですが、その額はこの10年で10億ドルにも上るそうですよ。

ちなみに、今現在ロシアでトップの大富豪はウラジーミル・リシン氏です。資産は191億ドルだそうです。ノボリペツク製鉄所の会長で、ビジネスだけでなく他の分野でもかなり名の通った人物です。冶金技術の専門家で、たくさんの特許を取得しているほかに、学術論文も発表して高い評価を得ています。趣味は射撃なんですが、ロシア射撃連盟では会長職、国際射撃連盟では副会長を務めています。スコットランドに別荘があってそこでよく狩猟をしているそうです。

●中国 上海 松田奈月さん

Q 中国の大富豪は、古くからいる華僑ではなく、自ら会社を興し財を成す人になるのでしょうか?

A 中国での一番のお金持ちといえば、2018年のForbes China Rich Lisでトップになったのが、ネット媒体・テンセントのCEO馬化騰(Ma Huateng)。QQやWeChatなど、中国のネットSNS文化を長年に渡り牽引してきています。総資産は453億ドル(約5兆1,000億円)。そして2位はタイバオなどのEコマースからネット社会を変えたアリババのCEO・馬雲(マーユン、Jack Ma)。総資産は390億ドル(約4兆4,000億円)。まさに桁違いです。この馬雲がアリババ起業から20年目の来年に退職することを発表して話題になっています。退職の背景などが色々報道されていますが、今後は自分の持つお金や時間を教育者として使いたいとコメントしているとも。起業前は教師であり、これまでも数々の慈善事業に力を入れる一方、ビジネス面でも若き起業家などを支援してきた彼らしい選択なのかもしれません。また新しいサービスを創造し、短時間で一気に富豪への道を駆け上がったニュー・リッチでは、80年代生まれ以降の若者の起業家も存在感を増しています。教育系「好未来」のCEO張さんは1980年生まれで、その資産はなんと400億元(約6,600億円)。ほかにもタクシー配車アプリ「滴滴DIDI」のCEO陳さんは1983年生まれで資産165億元(約2,700億円)。そのほかに、80年代以降生まれの富豪ランキングでは、デリバリーアプリ開発の会社や、シャア自転車・モバイクなどのCEOたちなど、ワンアイディアの実現で短時間で一財産を築いた若者たちの名前が並びます。さらにはネットゲームや、SNS用の動画やニュースアプリを開発したCEOなど。

上海での最低月給は2420元(4万円弱)、初任給の平は平均月薪5386元(9万円弱)と、中国の富豪たちの収入はまさにチャイナ・ドリームです。