オフィス勤務のみなさん、お昼はいつもどうされていますか?社員食堂がある?それともランチに出る?コンビニでお持ち帰り?それから、お昼1食分の予算は?みなさん、それぞれだと思いますが・・・さて、海外のオフィスワーカーのみなさんは、どのような昼食をとっているのでしょう?けさも2つの国、街の通信員に電話をつなぎ、現地の「ランチ事情」についてお話を伺います。

J.K. 「オフィスワーカーの昼食は充実していますか?」

アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん

「多国籍、ハイブリッドで充実しています」

トルコ イスタンブール 加瀬由美子さん

「社食が充実していて、そこで食べる人が多い」

●アメリカ ニューヨーク 中村英雄さん。

Q 多国籍、ハイブリッドなランチが充実しているんですか?ニューヨーク、マンハッタンの街なかを歩く人はなんとなく、急ぎ足。ごはんもささっと済ませるイメージがあります。

A 察しのとおり。

ニューヨークは生き馬の目を抜く世界のビジネスの中心なので、オフィスワーカー、特に証券・金融関係の会社員は、寸暇を惜しんで仕事に勤しんでいます。なので、日本のような、行列を作って長時間待った挙句に念願のラーメンなりとんかつ定食を食べる、といった風潮はあまりありません。株価の値動きの一瞬も見逃してはならないトレーダーたちは、ランチなんか食べている暇がないんです。社食がどうのこうのというのもあまり聞かないですね。

Q 映画を通してフードカー、屋台がニューヨークの風景になっている気がします。

A そうなんです!長年にわたる中近東での戦争の影響(と僕は思うのですが)で、最近のアメリカ人は、エスニックフードや各国料理に抵抗がなくなりました。そんな空気を受けて、今ランチタイムの人気ものといえば、フードトラックでしょう。フードトラックが、家賃の高いNYではとりあえずの起業に便利ということで、色々出てきています。中でもポピュラーなのが、チキンオーバーライス。これは、おそらくNYで生まれたフュージョン料理だと思いますが、ピラフのような味付きライスに、車内の鉄板で焼いたスパイスの効いた出来立てカレーチキンを載せてホットソース、ホワイトソースをかけまわしていただくという代物。ニューヨーク版のカレー鳥丼といったところです。値段はだいたい6ドル前後です。他にも、ハラルの鶏肉で作った「テリー&Yaki」とか、寿司ブリトーとか、ラーメンバーガーとか...もうフードトラックは発想の自由区です。

JK なるほど、その意味でハイブリッド料理なんですね。ニューヨークのランチは、アメリカの縮図、社会情勢とともに変化しているんですね。中村英雄さん、ありがとうございました。

●トルコ・イスタンブール 加瀬由美子さん

Qオフィスワーカーの昼食は雇用する側が提供するのが一般的なんですね!

A はい。大きな会社・工場などは事業所内に厨房があり、社員は一斉、あるいは交代で1時間の昼食休憩の間に社員食堂で食べています。小さな会社や商店などでも、賄いのおばさんを雇って美味しい家庭料理を出すところが多いです。社員食堂がないほどの企業組織の場合、食券の補助のかたちで対応している企業も多い。トルコでも食券補助制度は私が住み始めた25年くらい前には既にたいそう普及していました。その当時は乗り物の回数券風で、その食券の発行会社と契約のあるレストランや食堂などで食事をすると、少額の食券をミシン目から必要分切り取り、足りない分は自分のポケットから出す、と言う風に使われていました。その後トルコでも食券が紙からクレジット・カード型となり、支払い時にそれを出すと、読み取り機でいくら使ったか、いくら残っているか、などが表示され、回数券をちぎるのもノスタルジックなお話となりました。

さて、トルコでは昔から映画産業が盛んで、テレビ局も100チャンネル以上あるのですが、連続ドラマの自主制作が出来る全国ネットの有名チャンネルでは、近年はやっているのが、日本でいうところの時代劇。オスマン朝時代やトルコ共和国誕生までの戦争秘話、などで兵士や村人など、おびただしいエキストラ出演者が集められています。制作プロダクションもたくさんあり、撮影現場では6時間ごとに食事と休憩をさせないといけない規則があり、ケータリング会社が朝食・昼食・夕食などをトラックで運んできて、手早く屋外にテントを張り、エキストラの人々もかなり豪華な食事をお替り自由で、腹いっぱい食べることが出来ます。トルコ映画が近隣のアラブ諸国やロシア圏、欧米にまで売れるので、撮影関係では不景気風とは縁がないようです。

JK ハリウッドの撮影現場と似ていますね!加瀬由美子さん。ありがとうございました。