いよいよ年末の忘年会のシーズンです。お店の手配、メニュー設定、リマインドも含めた連絡、そして集金などなど忘年会の幹事を仕切ることは、仕事ができるかどうかの判断材料だ、などとも言われますが、「幹事」に求められる事ってなんなのでしょうか?あの国での「忘年会幹事事情」について、今朝も二つの国、二つの都市にコネクトします。

「そもそも忘年会の幹事っているのですか?」という質問です

韓国・ソウル ペ・ジョンファさん「総務という役割をする人がいます」

タイ・バンコク 山崎幸恵さん「大変な仕事で、大きな会社では何人もの人が担当します」

⚫️韓国・ソウル ペ・ジョンファさん

Q 「総務」という役割の人がいるとおっしゃっていましたが、会社の部署でいう総務みたいなものですか?

A 忘年会の日を決めること、いろんな人の意見を聞いて好きなメニューを聞いたりしてすべてを反映した結果を持って場所探し、予約、会費集め、支出、決算報告などすべてを取り仕切る。特徴のある忘年会をやった銀行の例を挙げますと、その人が本社にいた頃一番トップの銀行長が、26階建ての本社ビルの最上階から下の階まで順番にすべての社員と握手を交わして、一年のがんばりをねぎらうパフォーマンスをやりました。その後ロビーにちょっとした飲み物やお菓子などを並べて乾杯するようなことがありました。

Q 小さな組織だとどんなことをするのでしょうか

ほとんど全員が外に出て食堂かどこかで外食する形になる。マニトゲームというゲームをやります。これは1~2ヶ月前に、それぞれ自分の名前を書いた紙を、全員がくじ引きで選び、選んだ他人の守護天使になってその人に気づかれないよう、良いことをするようにするものです。こういうことに対するお礼で最後の忘年会で自分によくしてくれた人にちょっとしたプレゼントをしたりすることをやっています。

⚫️タイ・バンコク 山崎幸恵さん

Q 新しい国王が即位しましたが、「忘年会」って行われるものですか?

A 通常なら忘年会の話題で持ちきりの季節ですが、今年は王様が亡くなったばかりなので、自粛するところが多いようです。工場などでは、忘年会分の予算を、社員ひとりずつに均等に支給するところも多いと聞いています。

Q では、例年での忘年会のお話になりますが、忘年会はそんなに壮大なプロジェクトなのでしょうか。

A  タイ人会社員にとって、忘年会は年間を通じて最大級の関心事です。全社をあげての一大プロジェクトといっても過言ではないので、二〜三人の幹事で仕切れるものではありません。忘年会プロジェクトの総責任者は、総務部、経理部あたりの管理職。各部署から担当者を出して、分担してミッションをすすめていきます。会社の規模にもよりますが、全社員が参加する前提ですので、会場は巨大な場所になります。会社の食堂でケータリングサービスを頼む、大規模ビアガーデンや(こちらは冬がビアガーデンの季節です。涼しいし、乾季なので)、ホテルの宴会場を貸し切る、などのパターンが多いようです。小規模な会社はだいたい、いろいろなメニューがある食べ放題の店を選びます。ベジタリアンとか宗教上の理由で、配慮します。

Q 幹事さんはそうなると大変ですね

A  忘年会のスタートは夕方6時頃からですが、その日は3時頃に業務を切り上げてしまう会社も珍しくありません。なぜかというと、美容院に行ってヘアメイクを整えてから宴に臨むためです。ドレスコードがあったりして、パーティーを楽しもうという気合いがひしひしと感じられます。 部署対抗のかくし芸大会は欠かせませんね。2週間以上前から練習する、気合いの入ったところもあるので、出し物のクオリティはかなり高いです。最も盛り上がるのがラッキードローです。空くじなしで全員、何かしら当たるようになっているのですが、お菓子、電子レンジなどの家電、バイク、高額商品券や現金など、なかなか豪華な賞品が揃います。これは福利厚生、ボーナスの一環なのかもしれませんね。