昨日9月1日は、関東大震災から93年、「防災の日」でした。また、今週は、台風10号の上陸により、東北地方や北海道で大きな被害が発生。熊本では、最大震度5弱を観測する地震が起きました。改めて、日頃から防災への備えをすることが大切だと感じられた1週間でした。さて、海外のあの国での「防災事情」はどうなのでしょう。今朝も二つの国にコネクトします。

「災害対策の意識は進んでいますか」

アメリカ ロサンゼルス郊外 パサデナ 手島 里華さん

「大地震が頻繁に起こりやすい地域だけに意識は高いです」

インドネシア ジャカルタ 神成美智子さん

「本当にゆるーい国なので防災に関してもとてもとても遅れています」

▪️アメリカ ロサンゼルス郊外パサデナ 手島 里華さん

Q 例えばどんな備えがあるのでしょうか

A 以前は小冊子がありましたが、今は地震だけでなく、洪水、津波、地滑り、 山火事、さらにはテロ被害に遭った時の対応まで幅広くて紹介されている100ページに及ぶホームページがあります。 ここに最低限揃えたいグッズ10というリストがあります。

  1. 水(1人につき1日最低1ガロン=3.78キロ)を3~10日分
  2. 食料 3~10日 (ペットの食料も含む) 
  3. ファーストエイドのキット
  4. 懐中電灯(予備電池も)
  5. ラジオ(予備電池も)
  6. 現金と重要書類 (紙幣と小銭、出生届け、Tax return、権利証書、運転免許証、ソーシャルセキュリテキーカード、パスポート、保険用紙など)
  7. 服と履き慣れた靴
  8. 道具(レンチ、ダックテープ、笛など)
  9. 衛生用品

となっていて、日本とほとんどかわりません。ただこちらでは、日本のように 数日のうちに公の機関から水と食料が配布されるという事はないので、 水も食料もかなり多く用意しなければなりません。非常に乾燥しているので 水の量も多くなっています。

Q そういう備えを皆さんで準備するでしょうか

A 実際に、私の息子がプリスクールに通ったとき、入園早々に エマ―ジェンシーパッケージを用意するよう言われました。 1~2日は親から離れて避難する状態が続いても大丈夫なようにとの事で、

  1. シリアルやフルーツのスナックバー4個
  2. 2日分の衣類
  3. 魚の缶詰め1缶(うちはツナを用意しました)
  4. お肉の缶詰め1缶(チキンを用意しました)
  5. ウェットティッシュ
  6. お気に入りのグッズ
  7. 家族写真(裏には直筆で『I love you!』などのメッセージを付ける)

これをジップロックに入れて提出しました。またプリスクールの隣には、 付属のキンダーとエレメンタリースクールがあり校庭が広いので、4歳で避難訓練をし、ゾロゾロ並んで校庭に行っていました。

▪️インドネシア ジャカルタ 神成美智子さん

Q そちらでは大きな地震と津波がありましたよね。

A  アチェ大地震&津波(2004年12月26日)が起こり、太平洋戦争後に、 戦争犠牲者支援庁という戦争犠牲者の家族を助けるためにできた機関が 2008年に「インドネシア国家防災庁」になりました。 防災庁の主な業務は

  1. 防災活動のガイドラインと指示。防災、緊急事態の対応、復旧。
  2. 防災活動の情報などを国民に知らせる。  
  3. 正常時にも月1回、防災活動に関して大統領に報告。
  4. 各地方防災庁を設立するためのガイド作成

となっていてそのWebsite では、地震、津波、噴火、洪水、土砂災害 については災害対応マニュアルを記載していて。警戒レベルが、 Level 4- 1 の4段階( 1 が一番高い警戒レベル)で設定されている。

Q それでも実際はまだまだということなのですか

A  学校安全プログラムでは2012年に法令で、安全学校プログラム実施の ガイドラインが決定。このプログラムは、災害から学校全員と周囲の環境を 守ることができる施設とインフラの基準を学校に示しています。 2015年には20の学校(1つの学校から指導者5人/生徒15人が参加)400名が防災共同シミュレーションに参加。 火事、洪水、地震を想定した防災訓練を行ったばかりです。 インドネシアにおける災害は、洪水31.6%、台風20.4%、土砂災害16.8%、 火災12.2%、干ばつ8.3%となっていて、「災害に備えましょう」という活動は まだ始まったばかり。国民の意識は、見えない先の脅威を心配する ということはないので(これは災害だけではなくお金のことなども) まだまだ地道は啓もう活動が必要な段階です。