明日は東京の夏の風物詩、隅田川花火大会です。大きな花火大会もまた楽しいですが、お家の軒先などでやる花火も風情があっていいですよね。さてあの国での「家庭用花火事情」はどうなのでしょう。今日も2つの国の2つの都市をコネクトしてお送りします。    

最初にお話を伺うのは、中国、上海の松田奈月さんです。

Q 中国の花火というとまず爆竹を思い出すんですが

A  中国での「花火」は夏のイメージはなく、旧正月や建国記念日などの祝日を祝う日に盛大に上げられます。中国ではお祝いごとの時に、花火大会のような公的機関があげる花火だでなく、個人でも大型の打ち上げ花火や、魔除けの意味やお金の神様を呼ぶために大きな音を出す爆竹をするのが一般的で、毎年旧正月には個人でかなりの金額をかけている人の話を上海では以前よく聞きました。

Q 以前、ということですが、今はどうなのでしょうか。

A 近年空気汚染の問題が深刻で今年の1月1日から新たに「上海市花火爆竹安全管理条例」が出され、郊外をのぞく上海市内の大部分での個人の花火・爆竹の使用禁止されました。花火・爆竹を使用した場合には約1万円以下の罰金が課せられるだけでなく、購入するのにも身分証明の提示・実名登録が必要などのかなり厳しい制限となっています。今年の年越しの時は、いつもだったら花火をあげていた団地や道路などで、かなりの人数の監視隊(町内会やガードマンなど)が導入され、ゲリラ的に個人で爆竹や花火を上げる人はいても、例年に比べるとかなり静かな年越しになりました。また規制に合わせて、火を使わずに音だけ出る「電子爆竹」も発売されたそうですが、人気はいまいちでした。

Q そうすると規模が大きな花火も縮小傾向なのでしょうか。

A  10月の建国記念日のある週には2000年から毎年「上海国際音楽花火フェスティバル」という世界各国の花火が音楽とコラボレーションして、10万人以上が来場する大型のイベントが開かれていましたが、今年は規制に合わせて見送りが発表になっています。上海の人たちにとって、祝日やお祭りに「花火と爆竹」は欠かせない風物詩ですが、空気汚染の問題が落ち着くまでは、しばらく上海では花火控えめが続きそうです。

ニュージーランド、 クライストチャーチの晝間尚子さんです。

Q 南半球のそちらは今冬ということですが、花火はいかがでしょうか

A 結構寒くなってきました。とはいえニュージーランドでは、日本のように夏だから花火、というような概念はなく、もともと「花火は火災の原因」という考えから、一般的に家庭用の花火は売られていません。唯一の例外は11月5日の「ガイフォークスデー」という日です。

Q その11月5日の「ガイフォークスデー」はどんな日なのですが。

A 400年以上前のイギリスのの事件が起源となる風習から来た行事で、この日には全国一斉に花火大会があります。家庭用の花火を購入できるのは1年でこの時期のみなんですよ。各家庭にある広い庭で花火を楽しみます。いつでも花火を買えるわけじゃないので、ここぞとばかりに大量に高級な打ち上げ花火セットを買って遊んだりするので、実際に危ないと感じます。

Q 高級な打ち上げ花火セットとは、どんなものものなのでしょうか。

A 日本円で2万円、3万円もするようなセットが人気で、子供だけじゃなくて大人も遊びます。