いよいよ明日、新青森・新函館北斗間の開業によって、北海道新幹線がスタートします。世界に輸出もしている日本の新幹線の技術ですが、それを採用した国、しなかった国。その「新幹線計画」はどうなのでしょうか。今朝も2つの国のお二人にコネクトしてお送りします。
「計画中の新幹線は日本の方式ですか」という質問です。
ジャカルタ 神成美智子さん「日本方式の予定でしたが中国の方式に決まりました」
インド ムンバイ ハリー・チェンさん「日本の方式が採用されました」
ジャカルタ 神成美智子さん
Q そもそもインドネシアの新幹線はどんな計画ですか。
A インドネシア政府国家開発計画庁と運輸省で、2008年から高速鉄道計画の話があり、最初のルートはジャカルタ~スラバヤ(約770km)という話からスタートした。まずはジャカルタ~バンドン(142km)を作ることとし、日本が受注する確率が高いと言われていたが、コストがかかりすぎること、中国側がインドネシア政府負担無しとしたことから、最後に中国案が採用されました。ジャカルタ~バンドンが35分で行けるようになれば、日帰りでバンドンに行く人が増えるだろう。バンドンは、買物、食べ歩き、アウトレット、大自然と観光地として有名な場所なので、今まではDAGO(ダゴ)と呼ばれる中心地だけだった人が、Lembang(レンバン)やKawa Putih(カワプティ)など少し遠い観光地へも足をのばせるようになると思います。
Q そうすると街が変わりそうですね
A バンドンにはどんどん新しくモールやレストランが増えていき、経済成長率も大幅に上がっていくだろう。今までジャカルタ一極集中だったところが、東京と大阪のように2極化していくかも。しかし問題点としてはバンドンまで35分に短縮されたとしても、ジャカルタの駅周辺、バンドンの駅周辺が大渋滞。そこまでの時間と交通費もかかる。付随した公共機関の整備を一緒に行わないと意味がなく、結局は車で3時間30くらいかけていくのが一番いいのではないか、という意見も多い。それに。生活がどんな風に変わるか?ということを、インドネシア人はあまり考えていない。1年後のことも計画していない人がほとんど。
インド ムンバイ ハリー・チェンさん
Q インドの新幹線計画はどのようなものですか。
A 高速鉄道とは海外で「HSR=high speed rail」と言われている。今回、日本が受注するのは、インドに複数ある高速鉄道計画のうち、インドの最大の都市ムンバイと工業都市グジャラート州のアーメダバードの間の約500キロメートルのルート。最高速度は時速320キロメートルで、所要時間は現在の約8時間から2時間程度へ大幅に短縮される。 *約1兆8000億円に及ぶ事業費の約8割を、日本は円借款による低利融資で提供することができるでインド側を口説いた
Q そちらでの注目度、計画実現と今後についてはどうなのでしょうか
A インドはインフラ整備が「今から」状態であり、大いに注目をされているインド版新幹線の建設工事は2017年にスタートし、2023年に完成する予定だ。海外における新幹線方式の採用事例としては、2007年開業の台湾に続く2例目。今後の他国への展開にも弾みがつく。しかし、今回のムンバイアーメダバード間はあくまでも大国のインドの一つのルートであり、別のルートでは今でも水面下のヨーロッパ勢、中国勢と日本の事業者の中で競われており、目が離せない