資格試験の勉強はしていらっしゃいますか。超難関の国家試験から、趣味のものまで、さまざまな資格がありますが、あの国で「おもしろ資格」事情はどうなっているのでしょうか。今朝も2つの国のお二人にコネクトしてお送りします。
「ユニークな資格はありますか」という質問です。
パリ ドゥヴィアンヌ園子さん「筆跡鑑定ですね」
インドネシア・ジャカルタ 神成美智子さん「国家資格ではないですが呪術師でしょうか」
パリ ドゥヴィアンヌ園子さん
Q どんな資格なのでしょうか。
A 「筆跡鑑定」を行うグラフォロジー。19世紀末にフランスで確立された筆跡分析の学問だそうで、ローマ字を使うヨーロッパ言語の国に広がっています。日本では達筆とか言って字の上手な(美的な)筆跡がもてはやされていると思いますが、こちらは上手下手は関係なく、筆跡で書き手の性格や人格を判断出来ると言われ筆跡分析資格を与える学校もできていました。
Q どのような用途で使うのですか?
A 1ページくらいの手書きの文書があれば分析出来ますので、結婚相手の性格判断を内緒で頼む人なども多くいたそうです。また社員募集の選抜判断にも一般的に採用されたりして、1990年代まで信頼され盛んに 使われてきました。ただしこの学問は現在では信頼性が低いとされ、またコンピューターの発展でワープロ文書が主流となり、手書き文書が見られなくなって、この方法で性格判断の目安にするということは企業などではやらなくなりました。筆跡鑑定で犯人探しとか、署名が同じ人のものであるかなどの筆跡鑑定人の資格とはまた別です。
インドネシア・ジャカルタ 神成美智子さん
Q 国家資格はちゃんとあるんですよね。
A BNSP (Badan Nasional Sertifikasi Profesi ) = 資格認定庁というものがインドネシア国家資格(国家認定)にあたります。資格より、認定、認証に近い意味合いが強い。その背景には、おそらくなんでもお金で買えてしまうことにあるのかもしれません。例えば外国人が運転免許を即日、テストもなく交付される国なものですから。国家資格が意味を成さないのですね。
Q 呪術師はやはり相当ユニークですね。
A 呪術師は、国家資格ではなく、ある階級の家系が代々継承していく「技術」なので資格ではありません。日本でいう、住職に似た仕組み。たとえば、憎んでいる人に呪いをかけたりする黒魔術(ブラックマジック)と、ホワイトマジックというものがあり、黒魔術(ブラックマジック)にかけられた人は、ホワイトマジックでといてもらいます。お父さんがジャカルタでレストランを5店くらい経営している人の、息子(30才くらい)がいるのですが、彼も飲み屋のお姉さんからブラックマジックをかけられて大変だったという話を聞きました。自分で手を下すことなく、人を殺すことも、自分の事を好きにさせることも出来るっていうから、すごいですよね。カリマンタン(ボルネオ島)の方に、そういう力の強い部族がいるそうです。