1923年(大正12年)4月10日、現在のものとは異なる「旧競馬法」が成立。馬券の発売が認められた日です。今週末から日本でも春のビッグレースが毎週行われますが、世界中のあの国と地域での「競馬と馬券」事情はどうなっているのでしょうか。
イギリス、ロンドン 園部花子さん
「競馬はエリザベス女王も楽しまれるくらいで国民に親しまれています」
Q 一般的に競馬の発祥の地ともいわれているようですが
A 競走のための馬、サラブレッドを血統書で管理するようになったのがイギリスなので、近代競馬発祥の地とも言われている。もともと王侯貴族のスポーツだった競馬はおよそ250年の歴史を経て、大衆的な娯楽となっていますが、今なお競馬場の観戦エリアが入場料と服装により区分けされ、階級社会が残っています。6月に行われるロイヤル・アスコット開催という一大イベントは女王陛下が競馬の主催者となり、男性はモーニングとシルクハット、女性はドレスというドレスコードがある社交の場です。
Q 日本の競馬と違うところはどこなのでしょう。
A ブックメーカーといわれる政府公認の「賭け」専門の業者から馬券を買うというところが大きく違う部分です。街のいたるところに、ブックメーカーがあるだけでなく、馬券は競馬場の中でも、ブックメーカーを通して買うことになる。イギリスの競馬場の主な収入は、入場料とブックメーカーの営業許可料、映像放映権そして、レストラン・バーからの営業コミッショなので、多くの競馬場では、馬券を買う場所よりも、バーの方が広かったりします。
香港、富柏村さん
「競馬は、馬券の種類がたくさんあってギャンブルとして熱いです」
Q たくさんある馬券の種類とはどういうものですか
A 日本で売っているようなものも含めて、全部で15種類あります。日本にない馬券としては、1着から4着までを着順通りに当てるという一攫千金のものや、一開催を通じてどの騎手が活躍するかを当てる、というユニークなものなどがあります。また日本の大きなレースの馬券を売っていて、カタカナ書きの日本の馬の名前を、香港で独自に四文字の漢字を当てたりしています。競馬場は必ず座れて、のんびりしていますし、食事のできる席が多く、競馬を眺めながら賭けずに食事している客もいます。食は香港にあり、というぐらいで競馬場での食事のレベルも充実。
Q 競馬に熱いというのは、どういうことなのでしょうか
A 競馬の前日には競馬新聞をあちこちで見ることができます。中国本土では競馬をやっていないため、本土から訪れる人も多いです。そして競馬場はもちろん、街中にある場外馬券売り場で未成年は入場することができず、純粋にギャンブルとして楽しんでいるようです。先月末の日本のG1レースでは、香港の馬が優勝したこともあるくらい、国際的に競走馬のレベルは高い。ただ一般的にはあくまでギャンブル。馬の名前はあまり覚えていないが、いつのレースの馬番は何番で、配当がいくらだったか、ということはよく覚えている。日本の競馬ファンのように馬に対する愛着やロマンはありません。