今回は、ニューアルバム『awake & build』をリリースしたばかりの、yamaさんのHidden Story

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まずは、そもそものお話。yamaさんが音楽制作を始めるきっかけは、どんなことだったんでしょう?

色々と歌は好きだったので、すごい幼い時に、そういった歌の大会とかにも出ることはあったんですけど、なんかそれがプレッシャーで。ステージでうまく歌えなくて、気分悪くなっちゃったりが続いたので、"あ、じゃあ人前では歌えないかも"と思って、1回断念してて。それで中学生ぐらいになった時に、人前には出たくないんだけど歌を届けたいなと思って本格的にパソコンとマイク用意して、レコーディングを家でするようになっていったのが、作品作りのきっかけというか。」

yamaさんが世に出した初のオリジナル曲は、20204月リリースの【春を告げる】。この曲がいきなり大ヒット。

昨年末の時点でストリーミングでの再生回数、39000万回を突破しています。最初から大きな注目を集めたyamaさんですが、当時はこんな想いだったそうです。

「注目されたくないというか、自分自身にスポットが当たりたくなくて。作品にスポットが当たるのは嬉しいんですけど、そこから、じゃあこの作品作った人・こういう歌を歌ってる人はどういう人なんだろうってパーソナルに踏み込まれたくないっていう思いが結構あったので。そこで、なるべく、なんていうのかな...。興味が湧かないようにというか。作品としてはクオリティ高いものを作っておいて、そこで自分が評価されたいとか、自分自身の渦巻いてる感情みたいなものが分からないようにしたい。今もそういうのはちょっと残ってますけど、でも、より強く、それを出したくないと思ってましたね。」

作品自体にスポットライトが当たるのはいいけれど自分自身の感情は分からないようにしたい。これはそのまま、仮面をつけて顔を隠していることに繋がります。

「まず、自己顕示欲とか、承認欲求とか、自分の考えてることを知られたくないっていうところは、やっぱり自分の自信のなさから来ているので。そもそも自分の嫌いなところが多い、自分自身が好きじゃないっていうところで、作品に影響を与えたくなかったのが強くあって。こういう人なんだ、なんかがっかりしたなとか思われたらどうしようって、すごい不安に思ってたので。だから、あんまり開示しないようにしてて。それから、じゃあそんなに出たくないんだったら一旦顔を隠してというか仮面をして、なるべくパーソナルなところを出さない状態でやっていきましょうか、っていうのがこのスタイルの始まりです。」

自分のことによって作品に影響を与えたくない。だから自分は出さない。そんなスタートだったyamaさんですが、徐々に気持ちは変化。2022年のセカンド・アルバム『Versus the night』にはyamaさん作詞・作曲のナンバー【それでも僕は】が収録されました。

「【それでも僕は】を作った時は、まだ自分を表現することに全然慣れてないし、何を表現していいか分からないっていうので、いっぱいいっぱいになって作った曲が【それでも僕は】で。分からないけど、でも歌うことはしたいんです、応援してくれるあなたのために、っていう想いを込めて作った曲で。だから、これまでは とにかく歌を歌うことで自分を表現して自分の気持ちとかを消化してたんですけど、たくさんの人が応援してくれるようになった中で、同じような生きづらさみたいなものを抱える人がファンの方に多いので、そういう人の力にというか癒しになりたいなって だんだん考えも変わっていって。自分のために歌ってるけど、結果的にそれが多くの人に届けばいいな、とは思うようになっていきました。そこから、あ、じゃあもっと表現しよう、自分ってこんなに弱いんですっていうのを自己開示した方が共感してもらえるかなと思って。その辺から曲を作ったり、なるべく素直に自分はこう考えてるよっていうのを伝えるように変化していきました。」

表現の幅を広げていく中で作詞作曲も手掛けるようになったyamaさんですが、作曲のためのギターは、ALIのギターのCESARさんに教えてもらっているそうです。今も、レッスン受けているとか。

「今まで楽器を弾いたことがなくて。なんかちょっと、さすがに楽曲を作るにあたって、何かしら楽器が弾けないと難しいよなってなって。それで、CESARさんが "ギター全然教えるよ"って言ってくださったので。1年ぐらいは経ってると思います。1年以上、たまに月に12回とか入って教えてもらってます。いや、ほんとに豪華な先生。すごい優しくて、ちゃんと1番最初の、まずこの弦はEですとか、この弦はAですとかを最初から全て教えてくれたのがCESARさんです。で、【それでも僕は】を書いて、そのあと何曲か作曲してますけど、【愛を解く】とか【ストロボ】とかもCESARさんに習ったギターのおかげで、"あ、デモ作れた"って感じでした。」

ALICESARさん、いい先生なんですね!CESARさんに習ったギターのおかげでできた曲、とyamaさんが語る【ストロボ】はニューアルバムにも収録されています。アルバムのタイトルは、『awake & build』。

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「awake、気づき、そして、これから作っていくっていう意味ですけど。自分がこれまでの3年間で、なかなか人間として未熟な状態から始まって、どんどん成長していく中で気づいたものとか、この数年これまで主体的にあんまり動けてなかったというか。今まで純粋に音楽を楽しみたいっていう趣味から始まってたところが、いきなりどうしたらいいんだろうって分からなくなって。それで自我みたいなものが失われてる中で、だんだん、こうしたい、ああしたいっていう自我も芽生えてきて、色々なことに気づいて成長していく中で、その気づきましたっていうこのタイミングから、じゃあこれから何を作っていくのか、作っていきたいのかっていうのを、ようやく地に足ついてきた、つきました、っていうのがこのアルバム『awake & build』です。」

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収録曲それぞれの制作秘話もたっぷりうかがっていますので次回は、そのお話もまじえて、引き続き、yamaさんのHidden Storyお送りします。

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