今回は、前回に引き続き、GENERATIONSのミニアルバム『beyond the GENERATIONS』のHidden Storyヴォーカルの数原龍友さんにお話をうかがいます。

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きょうはまず、GENERATIONSのメンバー全員が本人役で主演した映画【ミンナのウタ】の主題歌、ヒップホップのビートを使った『ミンナノウタ』について。

ビートはめちゃめちゃヒップホップですよね、だから最初びっくりしました。やったことねえぞ、みたいな感じでしたね。やったことないし、これ僕と片寄で歌入れてどうなるんだろう?みたいな。当初確か、メンディーくんラップする?とか、そういう話もあったはずです。ラップパートっぽいのどうする?みたいな。ちょっと自分たちでも本当に開けたことない引き出しだったんで、すごく難しかったですね。でもいざレコーディングするとなると、自分はあんまり人格が出ないようにというか、そういう歌い方をしましたね。映画の内容もお伺いした時に、ホラーだったんで、そういう要素を表現できたらいいなと思って。自分なりの解釈で歌わせてもらったから、いつもとは全然違う、ちょっと荒目というか、なんか殴るように歌った曲でしたね、これは。

そして、新たな挑戦といえば、今回のミニアルバムには数原龍友さんが作詞作曲にクレジットされている数原さんソロ名義のナンバー『Better With You』も収録されています。

これは自分たちのライブのバンドでもバンドマスターを務めてくださってる上條頌さんとの共作なんです。今年一緒にトリートライブやったりとかライブハウスで一緒にライブをやらせてもらってるんですけど、その中でお互いに共有するんですよ。"この人知ってる?"とか、"この曲、龍友くん絶対好きだよね?"とか。僕もさんに"この人やばいっすよ"とか言ったり。そんな情報交換をしてる中、こういう曲やりたいんすよねって送ったある1曲があるんですけど...。アルバート・ポシスっていうアーティストがすごい大好きでよく聞くんすけど、その方の楽曲ですね。」

Albert Posisアメリカのサンディエゴを拠点に活動するフィリピン系アメリカ人シンガーソングライター。このアーティストについて、ギタリストの上條 さんと共有したところ...

そしたら"ちょっと何日か頂戴"って言われて、多分3日、4日とかだと思うんすけど、すぐデモ届いて"どうこれ?"ってきて、"いや、めちゃくちゃいいですこれ"ってなって。それで"ちょっと自分トップラインつけます""僕も時間ください"って。トップラインをラララみたいなのでのせて、頌さんに聞いてもらって。そのメロディーに関しては、自分が好きなR&Bシンガーのエリック・ベネイの『チョコレート・レッグス』という曲があるんですけど、それが『Better With You』で出てくるようなファルセットがすごい多く入ってるというか、あれはもうエリックベネイの技術で。『チョコレート・レッグス』という楽曲はもうそれで成立してる極上のバラード曲なんすけど、こういう曲やりたいなって。でもジェネでこれ違うよな、ってずっと思ってたんで。ずっとここ最近自分が聴いてるアルバート・ポシスの要素と。でもトップラインは、そういう 90年代とか80年代のR&Bとかソウルを感じさせるようなトップライン作れたらいいなと。」

エリック・ベネイ、「チョコレート・レッグス」をイメージしながら数原さんが歌のメロディを書いて上條頌さんに聞いてもらい...すると上條さんから、90年代から活動するRBヴォーカル・グループ、Full Of HarmonyMhiroさんの名前があがりました。

「頌さんがMhiroさんと仲良くされてたので、"多分Mhiroくんに入ってもらったら、絶対龍友くんもプラスになると思うし、絶対いいきっかけになると思うから、どうする?"って言われて。Mhiroさんって、僕がこのお仕事する前にボーカルスクールとかでレッスンの時にMhiroさんの楽曲でほんとにめちゃくちゃ手こずりまくったというか。めちゃめちゃ苦戦したんですけど、でも憧れの存在というか、日本のR&Bを牽引されてきた方々ですから。そういう憧れの存在の方に、まさかそんないきなりね...。一応、作詞作曲楽曲としては初めて世の中に出るものなので、そこにMhiroさんに入っていただくってこんなすごいことないぞと思いながらも、是非ということでお声かけさせていただいたら承諾いただいて。それで、自分のそのラララ的なデモみたいなのに、Mhiroさんがもっとソウル・R&B要素を散りばめてくれて。それで歌詞もできたんで、1回その仮歌を取りましょうっていうのにMhiroさんにも来ていただいて。歌い終わってから宿題を出されまして、次に2週間後の"本番のレコーディングはもっとよくしてきてね"って言われて、"うわ"みたいな。"これこれこれ"と思いながら、ほんとにもう、僕もシンプルに歌上手になりたいんで。ほんとに教えてほしいんで、"厳しくお願いします"っていうスタンスでいかせてもらったんで、"じゃあ、分かりました"っていうので、"ここ、こうした方がいい、ああした方がいい"っていうのを結構ズバズバ言っていただいて。"じゃあ2週間後、宿題ね"っていう形で本番のレコーディングに行かせてもらった感じなんすけど。そのスタンスで行ったとはいえど、やっぱり本番のレックはもうドキドキですよね。ちゃんと宿題終えられてるかな?とか思いながら。」

10周年イヤーの締めくくり、デビュー11周年の記念日にリリースされたミニアルバム『beyond the GENERATIONS』。数原さんのお話を聞いていると、すごく充実した制作だったんだなということも伝わってきました。最後に、そんなGENERATIONSの今後についてうかがいました。

「そうですね。10年間、ほんとに休むことなくずっと突っ走ってきたというか。思い返したら、我々ずっと エンタメに一生懸命取り組んでいきたいよねっていう話をメンバーでもよくすることがあって。でも、この10周年を皆さんにもお祝いしてもらいながら、本当に幸せな10周年だったな思ったので。いっぱい皆さんからもらったものが多いので、引き続きこの嬉しさだったりとか、皆さんに抱いてる感謝の思いとかを、もう音楽を通して返していくことしかできないと思うので。今まで以上に真摯に音楽に向き合って、このエンターテイメントというものに向き合って。あとは時代が本当に今めまぐるしく変わるので、その時代を捉えられるようなアーティストでいられたらなということは思ってるので、今後も期待してもらえたらと思っております。」

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