今回は、前回に引き続きユニコーンの奥田民生さんとABEDONさんにお話を伺いました。ユニコーンのメンバーを模したAIによるヴォーカルでレコーディングされたEP、『ええ愛のメモリ』。これに続いて先月、アルバム『クロスロード』が発売になりました。アルバムタイトルの『クロスロード』、民生さん作詞作曲で、最初のトラックとして収録されている曲のタイトルでもありますが、なぜ、これをアルバムのタイトルにしたのでしょうか?

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奥田: アルバム作る時って、まあは今回AIってのもあったけど、そのAIはアルバムのメインのテーマではないわけで。じゃあ、アルバムはどういう縛りというかテーマというかのを毎回決めるんですけど、毎アルバム。 UC100W』の時は数字だとか。あるいは、ロックンロール縛りだとか。それで今回は、【楽しい、とにかく明るいアルバム】というの...聞いたことあるんですけど(笑)。安心してください。

ABEDON:打ち合わせした場所がね、《安村》っていうお店だったんで(笑)

奥田:そうなんですよ。だからそうなったのか?

ABEDON:いや、決め手はそこでしょ。

奥田:そうだよね。うん。とにかく明るいアルバムでいいんじゃない?と。ほんとに。

奥田:確かに、あそこ、安村って店だ(笑)

奥田:でも、あの、着てますよ、みんな(笑)

ABEDON:当たり前だよ(笑) 」

アルバムのテーマは決まりました。そして、次に話題に上がったのは?

「ABEDON:それで、明るい曲は何かね?っていうような、まあ後々そうそう話になって、

奥田:この世で1番明るい曲というのはなんなんだって話したら、交差点で100円拾うやつだなと。西城秀樹さんの。

ABEDON: ちびまる子ちゃんのね、

奥田:あれが1番明るいという結論になったんですよ。ピーヒャラピーヒャラじゃないじゃない、もう1つの方。」

今はなき 西城秀樹さん、〈走れ正直者〉!テレビアニメちびまる子ちゃん』のエンディング・テーマでした。

「奥田:それをみんな、なんかやたら交差点で100円拾おうとする歌詞に持っていこうとして。100円を拾うんじゃねえ!みたいな。それで、交差点だけ残ったんですよ。だから、それで交差点だけ残って。みんな交差点が歌詞に入ってて、

ABEDON: いや、言ってたね、みんな入れてんなって。

奥田:俺なんか無理やり入れたからね、交差点。ほんで、まあ、ちょっと英語で歌うシーンがあったから、クロスロードって出てきたから。英語で歌わなかったら、『交差点』っていうアルバムタイトルになってるはず。

ABEDON:あ、これ今回ね。

奥田:『クロスロード』っていうと急にかっこいいね、これと。

ABEDON:ちょっとね、名曲たくさんありますからね。この系のタイトルはね。

奥田:そうなんですけど、ま、言ってみりゃ交差点ですから。

ABEDON:まあね(笑)」

民生さんの曲に英語で"クロスロード"と出てこなければ、アルバムタイトル、交差点 だったかもしれない。印象だいぶ違いますね。とにかく明るい曲、というテーマのほか、『アルカセ』という曲には こんな背景もあったようです。

「奥田:これはなんか別のオファーでしょ。

ABEDON:そうだね。レコード会社の人に呼び出されて。今回のアルバム作る前に、個人的にね。映画を作りたいんですけど、それの主題歌をやってくれないかってことで。ちょうどね、アルバムの時期だったので、そこに入れられるか入れられないかというような時期で。とりあえず受けてスタートしたんですけども、アルバムと関係なく。それで、その時に注文があったんですよね。『HELLO』みたいな曲って。『HELLO』っていう曲を書いたんですけど、それみたいな曲がいいという話だったので。

ABEDONじゃあ、私書きますと。それで、僕1人で背負うのはちょっと辛いんで、奥田さんちょっと歌って歌詞も書いてねっていう風にお願いして。それでその時に『HELLO』をセルフカバーみたいな感じでやってみたんですよね。そしたら意外とうまくかけたんですよ。

ABEDON:で、それが発端で『ええ愛のメモリ』のときに、例えば奥田くんに『Maybe Blue』みたいなとか。色んな人に発注するというような手を思いついたっていうか、この『アルカセ』がきっかけっちゃきっかけなんですよね。」

そして、『Maybe Blue』のような曲を、ということで民生さんが書いたのが、『ネイビーオレンジ』。

「奥田:まずはこれ、タイトルからも当然ね、似たようなタイトルにするために『ネイビーオレンジ』ってなって。ネイビーとオレンジって色だから。その色を想像したら、まあ、夕焼けかなと。オレンジはオレンジだけど、雲だからネイビーじゃないんだけど、グレーでも黒でもないし、ちょっとネイビーに見えるんじゃないと。オレンジが隣にあるし、みたいな。夕方のなんかしてる姿を思い浮かべ。

ABEDON:いや、実際ね、青とオレンジになりますよ。

奥田:だから、そんな感じで歌詞、『Maybe Blue』の歌詞なんてダサダサだからさ(笑)

そこはもうちょっと大人な感じと思いまして。だけど、"なんとかしてくれよ"とかいうところは。

あれはカツオだよね。

ABEDON:カツオだね、

奥田:姉さん、

ABEDON:くれよ~

奥田:くれよだよね。

ABEDON:くれよ~(笑)」

最後に、奥田民生さんとABEDONさんに、アルバム『クロスロード』、制作してみて感じたこと教えていただきました。

ABEDON:あ、えっと、良いアルバムだと思います。僕、こんなこと言うことないんですけど。いや、良いアルバムだと思います。こういう、ちょっと僕、真面目に作ったんで、真面目っていうか、本気で作った。

奥田:言えば言うほど、おかしいことになってる(笑)

ABEDON:こういうのをね、やっぱり何年かに1回ね、ぶっかましとかないと、経験上ね、忘れられちゃうんで。今回、ちょっといい節目になるんじゃないかと思うんだよね。ま、クロスロードっていう意味でもね、分岐点ね。

奥田:分岐点!上手いこというの、これ!
まあ、でも、まだ、ここに来ても、ここに来てもっていうか。ずっと長くやってますが、相変わらず、面白い企画があったらそこに乗っかって楽しくできるな、ということですよね。相変わらずそのレコーディング、盛り上がってやるというところがやっぱり1番大事なんで。 それはできてますよ。まだまだ。

ABEDON:安心してください。

奥田:安心してください。安村でした(笑)」

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