今回注目するのは、宮城県気仙沼市の、若手の会社経営者、飲食店経営者など、将来の街の担い手が集まって発足した、【気仙沼まちなかエリアプラットフォーム】。

どんなことを目指しているのか、リーダーの堀内真介さんにお話をうかがいました。まずは、【気仙沼まちなかエリアプラットフォーム】はどんなきっかけで始まったのか、堀内さんに教えていただきました。

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この【気仙沼まちなかエリアプラットホーム】は市役所の中にある都市計画課さんが立ち上げた団体で、若い経営者たちを集めて、面白いことを考えてもらいましょう、というところで、市と民間との共同の団体になります。気仙沼市役所という市役所がありまして、そちらの市役所の移転があるので、その移転に伴って、人口の流れが変わるよねというところで、にぎわいがなくなってしまう。今の市役所がある三日町、八日町という地区のにぎわいがなくなるので、市役所の移転が始まる前に、まちなかエリアプラットホームという団体を立ち上げて、賑わいを創出しようというのがキーになってます。」

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気仙沼市の若手の経営者、40名ほどが集まり、市役所が移転してしまう地域に、どうすれば にぎわいを生み出せるのか、検討が始まりました。ちなみに、プロジェクトのリーダーである堀内さんは介護施設、さらに、子どもたちのためのアミューズメントパークを経営されています。以前は、別の介護施設で勤務していた堀内さん。ご自身で会社を立ち上げたのには、こんな理由がありました。

私は3.11の東日本大震災の時に、担当していた1人暮らしのおじいちゃん、おばあちゃんがやっぱり1人暮らしですと逃げずに皆さんこう津波の被害にあわれて、ご逝去したんですけど、 その逝去しなくちゃいけなかったところに憤りを感じて。お金がなくても入居できる施設を作りたいんだ、というのが一番最初、それが原動力になって、一念発起をして介護施設を自分で作ったんです。でも、介護施設のニーズがどんどん強くなって、今現在6施設を経営していて、その中で今度はこの気仙沼市は子供が屋内で遊べる施設がなかったので、 町の中心部をお借りして、今現在はその子供が遊ぶアミューズメントパークも一緒に経営している、というところです。

街の人のために何ができるのか?その考えの先にあったのが、介護施設であり、子どもたちの遊ぶ場所づくり、だったんですね。気仙沼生まれ、気仙沼育ち。地元を愛する堀内真介さん。【気仙沼まちなかエリアプラットフォーム】に参加する前から考えていたことがありました。

「気仙沼市は若者が少なくて、観光客の方々は結構いらっしゃってるんですけど、 観光客の方々が楽しめる場所があまり少ないと言いますか、ないに等しかったので、観光客向けに、楽しい町づくりをしたいなっていうのがずっとありました。」

では、実際にどんなことにトライしてきたのか?【気仙沼まちなかエリアプラットフォーム】では、どうすれば街が盛り上がるのか、若手の経営者たちが話し合い、新たな企画を考え、去年は、社会実験として いくつかのプロジェクトがおこなわれました。

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「去年やったものは、歩行者天国を作ってみようというところで、町の中心にある道路を警察と協議をしまして、歩行者天国の社会実験をさせていただきましたし、あとは漁港なので漁船しか入れないような海を使って子供が遊ぶボートですとか、あとは親子で乗れるスワンのようなボートを浮かべて観光客と地元民が一緒に遊べるスペースを創作したり。あとは気仙沼市の海側にゆっくり腰を据える場所がなかったので、手作りでベンチを作って設置してみたりですとか、あとは、海上レストランです。空いている船をお借りして、船の中でレストランもやりましたし、海側で毎月、第1日曜日に朝市や夜市を開催してみました。」

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今年は、手応えをつかんだプロジェクトを事業化するそうで、堀内さんの会社では、『漁港での水上のアクティビティ』を事業化する、ということでした。堀内真介(ほりうち・しんすけ)さんに 最後にうかがいました。

【気仙沼まちなかエリアプラットフォーム】

これまでの感想と、これからのヴィジョンとは?

「気仙沼市は漁業が盛んで、海が近い町で、すごく海が綺麗なんですけど、観光客の方々がせっかく綺麗な海に来ても、海に触れ合うことができない街だったので、気仙沼の良さを観光客の方々にも知っていただけるきっかけになり得る、いい事業かなとは思っています。

まちなかエリアプラットホームでは、『復興から沸騰へ』というスローガンがあるんですけど、人が湧いて湧いて沸騰する、というイメージを今スローガンにして、ハード面の復興というところは、ある程度もう終わってまして、すごく綺麗な街並みになったので、このハード面を利用してどのくらい盛り上げることができるか、っていうところが、ここからの勝負どころになるかなと思ってます。」

気仙沼まちなかエリアプラットフォーム ウェブサイト