今週は、明治41年創業、東京・合羽橋の料理道具のお店、釜浅商店が開発した【釜浅の炭火焼台】。そして釜浅商店が提案する『Slow BBQ』について。

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先月発売されると注文が殺到、大人気になっている炭火焼台。幅34センチ、奥行き21センチ、高さ17.5センチ。外はステンレス製で シンプルなデザインになっています。まずは、なぜ今、炭火焼台を作ろうと考えたのか、釜浅商店、料理道具売り場マネージャー和田洋一さんに教えていただきました。


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「昨年からコロナで外食がしにくくなってきて、焼き鳥とビールとかって難しくなってるじゃないですか。でもそれって楽しみたいなと思っていたときに、外でできないなら家でやればいいんじゃないかなと思ったんです。焼き鳥っていうと、炭火焼きが美味しいので、それが家でできないかなと思ったのがきっかけです。焼き鳥屋さんってなると炭火で焼いているところが多いじゃないですか。それって、炭火焼きは何より美味しく調理ができる技法のひとつだと思ってるんです。」

炭火焼きの美味しさを自宅で実現する。その目標を達成するために、開発がスタートしました。   

「我々はプロの料理人さんを相手にものを売ることが多くて、炭火焼きって基本お店で食べるものだと思っているんですよ。だから、お店で使っているものがそのまま家で使えたらいいよねと思ったので、まずは業務用の品質をそのまま家庭でというのをポイントにしています。サイズが業務用のものは大きいのでそれをミニマム化するのがまずひとつ。それはそこまで難しくないですけど、例えば熱が下にいきにくくしたりとか。一般に業務用のものはそのまま置くような形なんですが、それだと下に熱がこもるので、これには下に足をつけたんです。底に空気の層ができるのでテーブルに熱がいきにくくなっています。

今回採用させていただいたのが、外側がステンレス、内側に抗火石という新島でとれる熱に強い石を炭があたるところに使っています。そのまま金属に炭を入れると、金属が曲がってきます。でも耐熱の高い石だとそのままでいてくれるので、本体に影響が起きにくい、ということになりますね。」

この炭火焼台、さらに、こんなオプションをつけることができます。

「鉄久という鉄の棒をつけると串焼きの焼き鳥も作れますし、あと別売りですが、ジンギスカン用の鉄板とかもあるので、炭火焼きのジンギスカンを楽しむことができるということで、いろんな炭火焼きに対応できるということですね。」

釜浅商店が提案しているのが、『Slow BBQ』。これは、どんなバーベキューのことなのでしょうか?

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「コロナで積極的に外出がしにくくなっていて、私もそうなんですが、これまでバーベキューに家族とか仲間で行っていたんですが、それも行けてなっているんです。そうなると家で楽しむ、自宅の庭やバルコニーで楽しむということをしていたんですが、首都圏だと隣同士も近いので。煙もくもくバーベキューもしにくいというお声もいただいていました。ただ、バーベキューって結構せわしないイメージがあって、バーっと行って、肉を一気に焼いて、時間も決まっているからあっという間に片付けて帰る、という。でも、家だと基本、時間も決まっていないので、のんびり自分の好きな時間で、少しずつ焼いていく。さっき言った煙の問題も少しずつ焼くことで解消できるんですよ。煙って炭から出るんじゃなくて、焼いた食材の脂が付着して煙が出てくるんですね。だから、少しずつ焼くことで煙も少なくなりますし、のんびりやるのが自宅でやるSlow BBQのポイントのひとつだと思っています。

きょう美味しい肉が安かったから炭火で焼こうよ、みたいな感覚でやってもらうといいなと思っているんですよね。もっと身近で、昭和の軒先でさんま焼いてるみたいなのがあるじゃないですか。あんなような感覚でやってもらえたらいいのにな、と思いますね。」

和田洋一さんに最後にうかがいました。釜浅商店では、これからどんな料理道具を届けていこうと考えていますか?

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「釜浅商店では、料理道具を販売していますが、うちのコンセプトとして料理道具の『料』を『良い』という字に変えて、良い道具には良い理がある、という意味を込めた料理道具を提供しています。やっぱりその料理自身、いま時短料理とかいろいろ言われていますが、いま一度、昔ながらの作り方だったり、作り方にこだわったお料理ができる道具を届けられればと思いますので、みなさんに料理に興味をもっていただけるようなものを届けていけたらと思っています。」

釜浅の炭火焼台