今回は、マイボトルを持ってお店へ行き、中身のドリンクだけを購入することができるサービス、BOTLTOのHidden Story。

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今回は、BOTLTO株式会社の代表取締役、飯田 百合子さんに お話をうかがいました。そもそも、このBOTLTOというサービス、どんなことがきっかけで思いついたのでしょうか?

「私は海外で環境とビジネスの両立を目指すようなプロジェクトにいくつか入ってまして、4~5年前から日本より早く欧米ではプラスチックの海洋汚染が問題になっていました。私もそういったプロジェクトに関わる中で、日本でもきっと環境を意識する、それをサービスに落とし込んで経済を回す、そんな時代が来るんじゃないかなと思いまして、このサービスを考えました。」

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海外で環境のプロジェクトに関わる中で、環境への意識とサービスを結びつけよう と考えた飯田さん。では、マイボトルを使ったサービスに着目したのはどんな理由からだったのでしょうか?

 「海外ではリフィル文化がありまして、いかにプラスチックを使わずに生活するかを皆さん考えていて、そこにマイボトルが入ってくると。そのマイボトルに対してどんなサービスがあるかというと、今まではなかったんです。あるとすれば無料のウォーターサーバーとか、公園の水飲み場だったんですけど、実はお水も世の中では無料ではないと。欧米ではまちなかに自動販売機が置かれていて水の中身だけ買えるというサービスがあったんですね。日本では衛生の問題、ロジスティックス、衛生管理の部分ができるところが多くなかった、それなら衛生管理がしっかりしている場所はどこだろうと考えたら、保健所から許可のおりたお店さん達だったんです。」

衛生管理ができている場所、それは、飲食店。そして、ポイントは、ユーザーだけでなく、お店の皆さんにもプラスになる仕組みづくり でした。

「経済を回すということを考えると、やはりお店にとってもお水だったり全てコストがかかっているので、そこのところを商品として販売する仕組みづくりをできたら、ということで。私たちもいろんな方にお話を聞いてこの事業を始めたんですけど、実は女性、小さいお子さんを持つお母さんから、『自分のお水、それからミルクを作るためのお湯を買える場所がないんです』というお話があったんです。私たちの登録店舗にはお湯をホットウォーターとして販売しているお店もありまして、それができると、お湯が欲しい時に、食事したからお湯を入れてください、というのではなく、BOTLTOから100円で500ミリリットルのホットウォーターを買います、ということがでる。これができればお店さんもお客さんもモヤモヤしなくてすむというか、スマートに中身だけ販売、中身だけ買える、そういった様子が出てくるんですね。」

BOTLTOが提供するメニューは、水だけではなく、お店が独自に考えます。さらに、この仕組みが広がれば、容器に入る液体、流動体であれば何でも販売できることになります。

「いろんなお店さんとお話をしていまして、実はうちの登録店舗さんで、駅なかのコーヒー、というのもあるんですが、お蕎麦屋さんの健康茶とか、クラフトビール屋さんのクラフトビールとか、あとはこういった容器を持ってくるお客さんが増えるという観点から考えると、カレーとか、スープとかシチューとか、そういうものの容器を持ってきてくださいと広がっていくんですね。今まで容器に入ってないと販売できなかった商材はたくさんありまして、この流動体のものはなかなか店頭に置けない、でもみんなが容器を持ってきてもらえれば中身だけをお得に買うことができたり、そういうことも可能なんです。私達のサービスはエコな中身だけを買いたいマイボトルユーザーさんがお客様なんですが、実はお店応援機能も備えているなと思っていまして、紙コップでただ出していた消費財以外に、実際に容器を持ってくるお客様との出会いにもなるわけです。そこが新たなタッチポイントになる、ということもあるわけです。」

ユーザーは、スマートフォンのアプリに表示されるお店にそのアプリから注文。代金の支払いは、アプリにチャージされたお金で事前決済できます。そんなBOTLTOの課題は、今後、より多くのお店に参加してもらうこと。

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そして、飯田 百合子さんは、こんな未来を思い描いています。

「ローンチしてから2年ほど経っていて、スタートアップなので色々苦労がありましたが、このヴィジョンに共感いただける方、企業さんが増えたと実感しまして今年はまさにそこが動いてくる年、という感じなんですね。ですから、中身だけを買う、売る、という業態でお店とお客さんがつながって、それが自然とライフスタイルに組み込まれると、自然とプラスチックが減ったね、と、そういった社会を目指せればと思っています。すごく努力して環境によくしなきゃということよりも、いつの間にかBOTLTOを使っていたら環境に良いことができている。どのくらいペットボトルを削減できたかもアプリに出ますので、自然にコーヒーショップに行くだけで、なんとなく日々過ごすだけで、自然に対して優しいライフスタイルを感じていただく、そんなことができたらなと思っています。」

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BOTLTOウェブサイト