今回は現在、ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催中の展覧会、DOUBLE FANTASY -John & Yoko のHidden Story。20201104h01.jpg

「ジョン・レノンとオノ・ヨーコという天才アーティスト、誰でも知っているアーティストふたりがどうやって出会って、どう生きて、何を残したのかを時系列を追って見られる、体験できる展覧会です。会場にあるのは彼らの言葉と彼らのメッセージと彼らが世の中に送り出してきた作品、アート、音楽、それから行動。それだけで構成されている、そういう意味ではすごく珍しい展覧会だと思います。」

取材にお答えいただいたのは、リヴァプールでおこなわれたこの展覧会を東京に招聘し、主催するソニーミュージックエンタテインメントの小沢暁子さんです。小沢さんに会場の見どころをご案内いただきました。

まず、会場に入って少し進むと、1966年、ジョンとヨーコが出会った場所、ロンドンのインディカ・ギャラリーにまつわる展示があります。

「ここが出会いの場所になるんですけど、有名な逸話がありまして、ヨーコさんの展覧会にジョンが訪れるんですね。この作品は梯子をのぼって天井についている絵を虫眼鏡でみるとYESと小さく書いてある、というものです。そのときはお互いがどういう人か全然知らなくて、そこでの出会いが運命の出会いになるわけですが、そこに書いてあったYESという本当にポジティブな肯定的な一言がジョンの心を動かしたと。そこでYESじゃなかったら懐疑的なものを持っていただろうと。でも、そこに書いてあったのがYESだった。」

これは『天井の絵』という作品なんですが、今回展示されているのは1966年当時の本物で、実際にジョンが登ったものなんです!!!そして、今回の大きな見どころの一つが、ふたりがおこなった『ベッドイン』というパフォーマンスについての展示です。 1969年、ベトナム戦争のさなかに結婚した二人は、『ベッドイン』というパフォーマンスをおこなうことを発表します。この『ベッドイン』、実は、ホテルの部屋へ記者を招き、平和への想いをアピールする、というものでした。

「ふたりの活動はすごく有名なものがいくつかあって、『ベッドイン』と呼ばれるものはそのハイライトの一つです。新婚さんがベッドに、というと若干、ハレンチというか、ん?というものになるだろうと、それを面白がってユーモアとしてそういうシチュエーションを作ってメッセージを出していこうというものだと思います。『HAIR PEACE 、BED PEACE』と書いてありますが、2回やってるんです。ヨーロッパに新婚旅行に行った時に1回、あとカナダでもやってるんですが、『HAIR PEACE 、BED PEACE』と窓に貼ってベッドインして会見をする、記者のインタビューに答えるというものです。最初におこなわれた、ヨーロッパでやったときに実際に貼られていた『HAIR PEACE 、BED PEACE』と画用紙に書かれたものが来ています。『Give Peace A Chance』が流れているんですが、このレコーディングを実はこのベッドインの時にやってるんですね、それで使われたギターが来ていまして。」

この『ベッドイン』というセンセーショナルなパフォーマンスによってメッセージとして打ち出したのは、Peace!平和への願いでした。さらにもう一つ、展示をご紹介すると、、、ジョンの有名なポートレート、『NEW YORK CITY』と書かれたTシャツを着た写真がありますが、その写真で着ていたTシャツも 見ることができます。

「これはもう本当に有名な写真なので、皆さんご覧になったことがあると思うのですが、ボブグルーエンが撮ったNEW YORK CITYというTシャツを着たジョンレノンです。そこらでちょいと買ってそれを着て撮ったということで、このTシャツ自体も袖が切れてるんですが、何がおもしろいかというと、細かったという。後ろを見てもらうとわかるんですけど、つまんでもいなくて、これが胴体そのままのサイズなんですよね。これは意外とみなさん驚かれるんですけど、細いんです。これはもちろん本物です。」

というように貴重なアイテムの数々、そして、ふたりの言葉、メッセージ。ぜひ DOUBLE FANTASY -John & Yoko 、その会場でご覧ください。そして、会場では、グッズも販売されているんですが、グッズには 大切な意味があるそうで、、、

「展覧会のショップというと絵などが多いと思うんですが、今回圧倒的に多いのは、メッセージなんです。ふたりが世間に出してきたメッセージを多くピックアップしているんですね。今回は、展覧会自体がふたりの言葉だけで作られて、すごく大事なのはメッセージなんですよね。メッセージをいろいろ感じて、受け止めて、ここに来て、最終的にはそのメッセージを展覧会の外に持ち出してほしい、ということで許諾を取りに行ったら、『いいですよ』ということで、かなりいろんなものがあります。フレーズもWAR IS OVERとか有名ですが、知ってる人は知っている、でも知らないものもあって、YESは、あのYESです。二人の出会いで、全てを変えたメッセージだったり。あとBAGISMも、バッグの中にすぽっと入ってしまえば、人が一人二人と入ってもバッグの中では性別も国籍も分からなくて、偏見とか差別とか、そういうことをバッグに入ることでクリアするぞ、という、それがBAGISMなんですけど、40年経って今でこそ必要としている言葉ってすごく多くって。気に入った彼らの言葉やメッセージを持って街に出てもらいたいです。」

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DOUBLE FANTASY -John & Yoko ウェブサイト