今回は、注目するのはダンサーのIGさん。
加藤ミリヤさんのツアーに参加するなど、国内での仕事を経て、2016年、30歳になるタイミングで、アメリカへ。家族の事情などがあって いったん帰国されますが、去年、ふたたびアメリカに渡ります。しかし、その直前、IGさんは迷っていました。
「２０１８年にぎっくり腰を２０１８年に３回やっちゃって、ダンスの仕事が全然できなくなっちゃったんです。体が動かなくなったらダンスできないし、仕事できないし、どうしようと考えたんですよ。そしたら病院の先生に『ヨガがいいよ』って言われて、ヨガを学ぶんですよね。すごくヨガが勉強したくなってインドに２ヶ月行くんですけど、２ヶ月インドに行った後に、日本に戻って、じゃあいざ、ヨガの先生になる準備をしようと思ったときに、自分のなかで、それをやる前にやっぱりアメリカに行きたかったというのが出て来て、いろんな人種の人と踊りたいと思っちゃったんですね。」
IGさんは、アメリカでダンスエージェントのオーディションに合格。エージェントから回ってくるオーディションの知らせを待つことになります。今年１月、こんな連絡が入りました
「１月の頭にガガのオーディションの話が来ました。でもそれはガガの名前は公開されずリッチー・ジャクソン・ビデオプロジェクトという名前でオーディション情報がやってきました。リッチー・ジャクソンはガガの振り付けをずっとやってるガガが信頼している振付師です。まさかこれがガガだとは思わず受けに行きました。５人ずつみんなが見てるなかで踊る、、、最初に男女別でフリ入れをされて５人ずつ踊って、Stay、Thank youです。Stayって言われたら残る、 Thank youだったら帰る。」
１次審査のダンスのあと、写真撮影の２次審査。IGさんは、２次審査まで進みましたが、最終的な結果は、この日、発表されませんでした。
「オーディション情報が来た時に、オーディション日、リハーサル日、撮影日っていう予定が書いてあるんですね。この予定がオッケーな人はオーディションに来てね、って言われて行ってるんで、結果待ちをしていたんです。でも、リハーサルの日になっても連絡が来ない、本番シューティングの日になっても連絡が来ない。これはダメかなと思って過ごしてました。そしたら、過ぎてからいきなり、『実はあのオーディションの予定が先送りになってこの日になったんだけどスケジュールどう？』って言われて、『えっ？』ってなって、『ええっ！！？？』ってなって、『大丈夫です』って送ったら、『じゃあ明日リハーサルに行って来て』って言われて、『え、明日？？』ってなって。」
ただ、この時点では、まだ、Lady Gagaのミュージックビデオだとは知らされていません。
「初日行ったら、『これはレディガガの新曲のミュージックビデオのリハーサルだよ』と言われて、で、２日目リハーサルあって、３日目に本人登場して、ほんとにガガのミュージックビデオのリハーサルだったんだってなりました。ガガさん本人が登場して、で、『ちょっとみんな見せて』って言われて踊ったら、ガガが泣き出して、『みんなほんとにありがとう』って言ってて。『みんな、私のミュージックビデオに雇われたと思って踊らないで。あなたのタレントを世界に見せてください。みんながスーパースターだから。踊れることはほんとに奇跡だからみんな踊れることに感謝してください。あなたの才能を世界に見せつけてください』ってガガが言ってくれて、感動ですよね。みんな号泣してて、ガガの言葉に。」
「Stupid Love」のミュージックビデオが撮影されたのは、ノースハリウッドから西に向かったところにある 砂漠地帯。ダンサーのみなさんは、ピンク、ブラック、イエロー、グリーン、レッド、ブルー、、、鮮やかな色のグループに分かれています。IGさんは、ピンクグループ。
「それこそ体型だったりとか、いろんなタイプのダンサー、いろんな人種、いろんなセクシュアリティの人を使ってて。色わけされてて、最終的にすべての色が融合して、ピースな状態でみんなで踊るっていうのが、ガガが何かを予期していたのか、いま黒人の差別の問題とかありますが、こんなにそれがふくれあがる前のPVだったので。」
IGさんが教えてくれたミュージックビデオの撮影秘話をひとつ。
「ガガと撮影していくなかで、いきなり砂漠に行ってから、『ピンクグループだけはガガと一緒に最初に砂漠を走るから』って言われて、気づいたらガガといっしょに砂漠をダッシュしてました。もうなんかいろんなことがわけわからないですよね、あれダンスじゃなかったの？？プラス砂漠走るんだけどみないな。」
この撮影の続き、どうなったのかというと、、、
「ピンクたちは遠くから走るよって言われて、ガガと一緒に走って。ガガが、『みんな、ほんと本気で走って』って言って、『はい、わかりました』って本気で走ったら、ガガ置いて行っちゃって、ガガが『Stop it』って言って（笑）撮り直しになってました。振り返ったらガガだけ置いてけぼりになってて、あー、ガガーーーって。」