chelmicoのニューアルバム【maze】のHidden Story。

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初回限定盤 (CD+DVD)

アルバムの1曲目は、テレビアニメ【映像研には 手を出すな!】のオープニングテーマ『Easy Breezy』。

作曲にはおふたりの友人、ryo takahashiさんが参加しています。

Mamiko:chelmicoの曲作りって友達同士でやってるみたいなのが多いんです。意外と人見知りな部分があって、最初に仲良くならないとあまり言えなくて。変わらないですね、インディーズの頃から同じメンバーで作っていますが、ryo takahashiはその中のひとりです。

Rachel:『Easy Breezy』ってタイトルにしたのは、湯浅政明監督が海外のファンが多いアニメーション監督で、私もファンだったんですけど、海外の人も一緒に楽しめるように、と思ったんです。英語のタイトルと『Easy Breezy』という言葉を何度も使うような曲にしました。

Mamiko:この曲を作ったときは、ふたりカラオケ入って、音出せるし歌えるしっていう感じなんで、サビは時間決めて30分とかで作りましたね。」

今回のアルバム【maze】。制作にあたって、ふたりは こんなテーマを考えていました。

Mamiko:アルバムのテーマは、『子どものころの自分に向けて』っていうのがあって、衝撃を与えたいというかトラウマという言葉を使って話し合っていたんですけど、1曲ごとに歌詞でもメロディでもトラックの音でも何でもいいんですけど、何かひっかかりを作りたくて。大きなテーマとしては小さい時の自分を驚かせたいってことですかね。ちょっとの要素でもいいので、意味分かんないところで音がなくなるとか、変な音が薄く鳴ってるとか。それで結構怖いマインドになってきて、自分の小さいときの記憶をさかのぼって、夢なのか現実なのか、信じるか信じないかはあなた次第、みたいな曲を書きたいと思っていました。『いるよ』に関してはただただ怖い、ホラー映画の主題歌になったらいいなという感じで書いたし。」

アルバムの7曲目『いるよ』。8曲目、長谷川白紙さんが作曲に参加した『ごはんだよ』。ここは、ちょっとホラーな、こわ~いゾーン。長谷川白紙さんからはこんなリクエストがあったそうです。

Rachel:一番最初に、叫び声を録って送ってくださいって言われたんです。ふたりとも叫び声をレコーディングしたことなかったんで、手探りだったんですけど、『これでいいのかな?』とか言いながら叫び声を録音して送ったら最後のほうに使われてて、あれちゃんと使うんだと驚かされた記憶があります。」

【maze】の10曲目は、『Disco(Bad dance doesn't matter)』。ディスコをテーマにした曲をつくりたい、という想いは、以前から あったのでしょうか?

Mamiko:それがなくて、、『いるよ』とか『ごはんだよ』とか、最初は怖い曲を軸にして超こわいアルバムになっていく予定だったんですけど、自粛期間に入って、お世話になっていたクラブとかが結構つぶれたりして、ふたりとも落ち込んで。ネガティヴなままだとまずいなということで明るい曲も作りましょうということになって、そこからできた1曲で、『Disco』っていうオーダーをしました。それで結構混ざっちゃったから【maze】というタイトルにしたんですけど。

これを作ってくれたESME MORIさんに、この人も友達なんですけど、『ディスコ』っぽいのくださいって言ったら、仮タイトル『Disco』でこの曲がきたので、そのまま『Disco』はこれでいきましょう、と。のちに副題でBad dance doesn't matter、ダメなダンスでも大丈夫だよ、という、励ましの曲ちゅうか、そんな感じで作りました。」

Rachelさん、Mamikoさんいわく、こわい曲、もあれば、ディスコもあり、いろんな曲がごちゃまぜになったアルバム【maze】。

バラード『milk』も収録されています。

Mamiko:いままでchelmicoのなかでゆったりして音数の少ない曲も1、2曲あるんですけど、超バラードは一回やりたいなというのがありました。それでMikeneko Homelessっていうトラックメーカーにそれを言って、最初のオーダーは映画のワンシーンみたいなものをLINEで送りました。それは「エターナル・サンシャイン」とか、いろんな画像だったんですけど、それと同時に、アコギで、優しい愛っていうのを書きたいですって言ったら、あのトラックがきて。最初から言ってたのは『優しい愛』をテーマに書きたかったので、最終的な歌詞は人間がふたりいてそのなかで起きてることです。何でもよくて植物に水をあげることとか、さりげない生活のなかにあるもの、ふとした笑いとかもそうなんですけど、そういうもののあたたかさを書きたかったというのが一番最初にありましたね。」

『milk』につづいて、アルバム【maze】のラストをかざるのは映画「Daughters」の主題歌でもある、『Green』。

Rachel:映画の曲だったので、ふたりの女の子をテーマに書くということだったんですけど、その子たちを思って書くより自分たちのことを歌ったほうが逆にマッチするんじゃないかと思って書きました。あと、アルバムの並び順的に、一枚のアルバムを通して1本の映画になるように作ったので、『milk』が最後のエンディングテーマだとしたら『Green』がエンドロールを見ながら聞く曲、というか大団円のハッピーな感じで終わらせたいなと話していたので、読後感みたいなものをよくしたくて『Green』は作りましたね。

Mamiko:一回、飛ばさずに1から13まで聞いてほしい。そうすれば、いろいろわかる気がするというか、つながってる物語みたいな、それこそ映画みたいな感じなので、飛ばさずに聞いてほしいです。我々的には大満足というか、最高傑作だと言ってますね。

Rachel:ほんとにどこに出しても恥ずかしくない、というか、自慢の子になりました。」

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