今回ご紹介するのは、鹿児島を中心とした九州、そして四国の柑橘類を使った、【mikaned】のアイスキャンディー。

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柑橘で、日本人が一番代表として思い浮かべるであろう、みかん、というところから、受動態のedをつけて、柑橘で作られた、柑橘で作られたアイスキャンディー。正式名称は、mikaned citrusserieというんですが、シトラッセリーは、ブラッセリー(パン屋さん、お菓子屋さん)との造語でシトラスを専門に売っているお店ということでmikaned citrusserieとつけました。

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お話をうかがったのは、ランドスケーププロダクツという会社が手がける 食のレーベル、『GOOD NEIGHBORS'FINE FOODS』の清水彩さん。

まずは、この『GOOD NEIGHBORS'FINE FOODS』について教えていただきました。

「ランドスケーププロダクツのなかで食をメインにしたブランドなんですが、会社でいろいろな事業を立ち上げるなかでつながりが生まれた農家さん、食の生産者さんをきちっとご紹介したいと思って立ち上げたブランドです。もともとは代表の中原が家具のデザインから始めた会社なんですが、そこから広がって内装デザイン、カフェも同時に立ち上げ、さらにブランド企画ですとか、多岐にわたる会社です。会社の人間がそれぞれ仕事を担当するなかで日本のいろんなところに旅をする機会が多く、さらにアメリカの主に西海岸にも行く機会が多くて、そういった流れから食を仕事にしている方とつながっていった、という形です。」

【mikaned】という企画が立ち上がったのは、2015年。ご自身の出身地=鹿児島をはじめ 九州の柑橘類を使って商品づくりをしたい、と考えたことでした。では、アイスキャンディーというアイディアはどうやって生まれたのでしょうか?

「わりと初期の段階でアイスが面白いんじゃないかというアイディアはあったんです。でも、実際どう作るかまではなかったなかで鹿児島の今アイスを作ってる方たちとの出会いがあって、これだったらアイスキャンディーを【mikaned】というブランドで作れるねということで作ることになりました。今回【mikaned】を立ち上げるにあたってお菓子研究家の福田里香さんという方にブランディングをお願いしたんですけども、福田さんが鹿児島に行っているときに『すごくいいアイスを作っている人たちに出会えた』ということで、そこと【mikaned】のタイミングがうまくあってアイスを作ることになりました。アイスはいろんなところが作っていますが、やっぱり福祉施設で働いている人たちを大切にしながら作っているということと、その現地にあるものを大切にしながら作っているという、生産するにあたって大切にしているところが私たちがすっとご一緒したいと思った点です。」

お菓子研究家の福田里香さんが、『すごくいいアイスを作っている』と絶賛したのは、花の木冷菓堂。こちらは、鹿児島の社会福祉法人、『白鳩会』が運営していて、障がいのある方がアイスを作っています。

「形はひとつで決まっていたので、その中でアイスクリームのベースは花の木冷菓堂さんがお持ちのものにどれが柑橘にあうかということから始まりました。お持ちのヨーグルトベースのアイスだったらこの柑橘が美味しいし、例えばきんかんだったら半分に切って、一番最初に食べる部分にあったら楽しいよね、というようにいろいろ会話して決めていきました。」

最初に【mikaned】が発売されたのは今から5年前の夏。

「柑橘を楽しんでいただくために、いろいろな柑橘をいろいろな味で楽しんでもらいたいというのがコンセプトでしたので、発売のときにも6種類はほしいね、ということで6種類で販売しました。今でも定番であるものだと、オールドファッションママレードといういわゆるマーマレードを作ってそれをバニラのアイスに混ぜたものですとか、メイヤーレモンという品種のレモンをスライスして実際にアイスにしたときにスライスの断面が見えるようにしたもの。あとはしっかり酸味が感じられるものも作りたいねということでシロップベースにすごくいろいろな種類の柑橘を入れて、食べると一瞬すっぱい!と思ってしまうものまで、バランスよく少しさっぱりしたものからミルク系まで6種類を作りました。」

ちなみに、今年の夏には、【mikaned】の『アイス最中』がスタンバイ中です。

「花の木さんが最中を作っているのは知っていましたが、それを【mikaned】にどう落とし込めるか話し合ってきて、やっと商品ができましたので今年の夏にはご紹介できる予定です。最初はきんかんが入ったものとマーマレードが入ったものを出す予定ですが、なかは、最中の皮の中にアイスが入っていて、だいたいそこにあんこが入っていたりチョコレートが入っていたりするんですが、私たちは【mikaned】なので中に柑橘の加工したものをたっぷり入れる、という感じです。」

『GOOD NEIGHBORS'FINE FOODS』、 清水彩さんに最後にうかがいました。5年間、mikanedを製造・販売してきて、いま、どんな感想をお持ちですか?

「このレーベルを立ち上げたなかで、福祉施設の方と一緒に仕事をしたいというのがありました。もともとすごくクオリティの高い商品を作ってる方たちと出会えて、5年間ずっといい関係で、どんどん新しい味を生みながら関係を作れていてお客様に楽しんでいただいているということは、すごくありがたいことだと思っています。」

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GOOD NEIGHBORS'FINE FOODSウェブサイト