今回ご紹介するのは、フラワーサイクリストの河島春佳さん。
「フラワーサイクリストという言葉は、アップサイクルとお花をかけあわせた造語です。廃棄されてしまうお花を買い取って、それをドライフラワーにしてアクセサリーや装飾に二次使用する仕事をしています。」
廃棄されてしまう花をドライフラワーにして、リサイクル ではなく アップサイクル。さらに価値を高めよう、というフラワーサイクリスト、河島春佳さんのHidden Story。
まずは、河島春佳さんが廃棄されてしまう花に着目したきっかけについて教えていただきました。
「もともとドライフラワーが好きだったんですが、具体的にロスフラワーという名前をつけて活動することになったのが、ちょうどクリスマスシーズンに生花店でアルバイトをしていた時のことです。
そこで真っ赤なバラが大量に廃棄されるのを見まして、私だったらまドライフラワーにしてスワッグにしたり花束で売れるのにもったいないなと思ってロスフラワーのビジネスをやってみようと思いました。
こんなに捨てちゃうんだって、最初はショックでしたね。真っ赤なバラが店頭でクリスマスまで300本400本全部あわせてですけど売っているなかで、これ一晩明けて全部捨てお正月モードになってしまうというのは、すごいショックでした。」
2017年のクリスマス、廃棄されてしまうバラにショックを受け、河島さんは動き出します。
「その時点で実はドライフラワーの作家として活動していて、子ども向け、親子向けのワークショップなどはやっていたんです。
そのなかでショックを受けて、自分だったらロスのお花をドライフラワーにしてワークショップに使えるなというか、販売できるなとか。
でも、それをただ売るだけでは見た目わからないので【ロスフラワー】というふうにすごく直球なんですけど名前をつけて販売したところ、以外とお客さんからの反応がすごくて、まず直接お客さまが『ロスフラワーって何?』と聞いてくださるんですよね。」
廃棄される花をドライフラワーにした花束を【ロスフラワー】と名付け、青山のファーマーズマーケットなどで販売をしたところ、大きな反響がありました。その後、百貨店、ブランド、企業などとコラボレーション。活動は加速していきます。
ちなみに、いま、ご自身の会社RIN(リン)ではどんなアイテムを作っているのかというと、、、
「一番人気なのがアクセサリーです。ドライフラワーなので結構ポロポロ落ちるんじゃないかと思われるかもしれませんが、プリザーブドフラワーという特殊加工をして丈夫にした花があって、それも使ってイヤリングとかピアスを作っています。
あとは、お祝いのときに髪飾りをつけるとおもうんですが、それもドライフラワーで作っています。お花っていろんなものと相性がよくて、最近の弊社の新しいプロダクトでは石鹸のなかに花を入れているです。
この石鹸に入れているのは花束を作る時に落ちてしまう花びらを取っておいてそれを石鹸に閉じ込めて販売しているんですけど、いかにお花を無駄にしないかというコンセプトで作っています。」
アップサイクルしたアイテムに使っているのは『ドライフラワー』なんですが、色がとても鮮やか。 その秘密はどこにあるのでしょうか?
「なるべくきれいな色になるように新鮮なうちに干したりとか、うちのアトリエは除湿器と乾燥機だったりとかいろんな設備が整った状態で作っています。
ロスからドライフラワーを作るので茶色くなりやすいんですよね。新鮮な花の方がきれいになるんですが、ロスだとそもそも状態が悪く、なかなかきれいになりにくいのでめちゃめちゃ努力してます。
風通しがよくて湿気が少ない部屋で乾燥させるときれいに色が残りやすいんですよね。それで色をなるだけきれいにして、ロスに見えないようにしています。」
ちなみに、河島さんは まさに今、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、こんなプロジェクトも展開されています。
「コロナウイルスの影響でイベントに使われなくなってしまったお花ですとか卒業式入学式がなくなってしまって出荷のできない産地さんのお花があると思って、それを買い取るキャンペーンをおこなっています。何かみなさんのお役に立てればいいなという形で頑張っています。」
最後にうかがいました。フラワーサイクリスト、河島 春佳さんのこれからのヴィジョンとは?
「ロスフラワーを使った店舗を作っていきたいなと思っています。廃棄のない花屋という形で一坪花屋をフランチャイズ展開で都内からまずは作りたいと思っています。生花もあるんですけど、ドライフラワーになりやすい生花を販売するので、もし売れ残ったとしてもドライフラワーとして再利用できるのでそれをまたドライフラワーで販売する、ということでなるべく廃棄のない花屋ということでやっていきたいと思っています。」