今回は、現在初のドキュメンタリー映画『MAN WITH A MISSION THE MOVIE ‐TRACE the HISTORY‐』が公開中のMAN WITH A MISSION!語ってくれたのは、Jean-Ken Johnnyさんです。

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 ※発言はすべてスタッフが日本語に翻訳しています。

MAN WITH A MISSIONが 初めて その姿を現したのは、2010年3月7日、渋谷エッグマン。

「その日のことで印象に残っているのは、ステージにのぼったときってだいたい拍手で迎えられると思うんですが、我々がのぼったときは、ざわざわと、福本伸行先生のマンガに出てくるようなざわつきが起こってました。非常に覚えております。やってやろうという感じで、ものすごく我々のバンドとしては自然にステージ上に立てたんじゃないかと思いますが、ありがたいことに、ざわついてましたけども楽曲が始まって1曲終わったらオーディエンスが一体になってくれて、実際に自分たちが音楽でことを起こそうという第一歩としてはものすごい手応えを感じた一夜でした。」

翌年、ミニアルバム『Welcome To the Newworld』で全国デビュー。そして、いきなり アメリカでライヴをおこないます。

「これは思い出づくりです。(笑)西海岸の、Whisky a Go Go、あとROXY THEATERかな。60年代のレジェンドから今を活躍するバンドまでが出入りしているライヴハウスに我々も腕試しじゃないですけども、記念に一発やっとこうぜというのがことの発端だった気がします。

国外で盤を発表したわけでもないので、手探りの状態だったんですけど、お客さんの前で演奏する、反応をいただくということでは、日本同様、もしくはそれ以上の反応をいただきました。思い出づくりなんて言っちゃいましたけど、ほんとに原始的な演奏する、反応するという体験は十二分にいただいたので。」

2011年、狼たちはついにメジャーデビュー。ファーストフルアルバム、『MAN WITH A MISSION』、その1曲目は、『DANCE EVERYBODY』。まさに閉じ込められていた氷の中から飛び出すような 熱いイントロ!!

開始3秒というか、なんなら開始1発目の音で瞬間的に心をつかむのはすごく大事な気がしています。しかも楽曲、音楽というのは、流れていく芸術というか流れていく作品なので、その流れのほんとの1点目、イントロというのは制作する段階ではものすごく熱をほうりこみますね。」

『DANCE EVERYBODY』に続く2曲目は、今や彼らの代表曲となった『FLY AGAIN』ですが、サウンド面でマンウィズに関わる 大島こうすけさんいわく、"この曲のデモテープを聞いて、不機嫌になった"。

はい、よく覚えてます。(笑)当時ほんとに手探りの状態で、フルアルバムをとるのも初めてだったので、今思い返せばデモもつたないものができてたと思うんですよ。で、作っているバンド側は完成の絵図は考えてますけど、最初に聞いた人はそれはわからないので、『お前ら、ほんとにこれを出すつもりなのか』と辛辣な意見をいただきました。まわりが『まじで?』みたいな顔をしている中、かなり押し通した記憶がございますね。」

デビュー直後のアメリカでのライヴをはじめ、その後も、海外での活動を活発におこなう MAN WITH A MISSION。2015年には、リンキンパークなどとの仕事で知られるプロデューサー、ドン・ギルモアさんを迎えて初の海外レコーディングを敢行しました。

それこそ、自分らが聞いているビッグアーティスト、大物アーティストと仕事をされている方だったのですが、ほんとに大物感を出さずに接してくれました。音楽だけでなくエンターテイメントに真摯な方で、ほんとに細かいことでも実際こういう風にしたほうがいい、ああいう風にしたほうがいいという指示もあったり、バンドをリスペクトしてこれはこのまま残そうというものもあったり。やりとりがものすごく密で音楽愛にあふれていて、彼と一緒に作業したのは非常に濃い時間でした。」

ちなみに、ドン・ギルモアさんがプロデュースするリンキンパークについては、ジャンケンさん、どう感じているのでしょうか?

好きなバンドのひとつではありましたね、ダントツ1位というわけではないですが、ラウドミュージックでありながら万人受けするポップさもありまして、僕がロックミュージックで一番魅力を感じるのはそういうところなんです。あれだけエネルギッシュでうるさくて熱量もあるものなのにポップソングとしても成立する、世の中に流布してしまう、その魅力にあふれるこのジャンルが自分も惚れてしまった要因でもあったので、自分たちが好きなジャンルは我々の畑として、こういう音楽が好きだと打ち出すことはあるんですが、最終的には一般的にいうポップソングにひけをとらないというか、いわゆるポップさがあってしかるべきだと思いますし、ある意味、自分たちが目指すバンド像もそういうところにあると思います。」

マンウィズは、去年の秋にも単独で北米ツアー。世界でのライヴを続ける理由は、どこに?

自分が聞いてきたアーティストを洋楽、邦楽って分けたことがなくて、単純にその音楽が好きで、実際にその人がどこから来てどこの国籍でってあんまり気にしたことがないんです。世界中でその土俵で音を鳴らしている、それに憧れていた節はありますね。どこの国に行こうがそのバンドが来ただけでオーディエンスが喜ぶというか、それこそ一番ボーダーレスな国境のない瞬間だと思いますし、海外に行って我々の音楽がどこでやろうが人々の心がつかめるのかというチャレンジでもありますし、チャレンジと同時に自分が思い描いていたものを追いかけている延長線上のような気がします。」

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最後にうかがいました。MAN WITH A MISSIONの、ミッション、とは?

「具体的に何かというのは言えないんですが、確実に自分たちは何かを信じてやれるんだと信じてやってきた自負はあって、その自分たちの信念を証明するためにというのと同時に自分たちを支えてくれた人、支えてくれた音楽もありますが、そういったものすべてを証明したくて、ずっとやってるんじゃないかと思いますね。」

MAN WITH A MISSIONウェブサイト