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2007年、19歳でアメリカ、ニューヨークへ渡った 島津藍さん。

これまで一緒に仕事をしたのは、ビヨンセ、ブランディ、プリンス、ファレル・ウィリアムズ。そして、マドンナのワールドツアーなどに 参加してきました。

マドンナが2015年からおこなったRebel Heart Tourが終わった直後、ビヨンセのツアーについて オファーが舞い込みました。

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ツアー後、2日後くらいに、直接、振り付け師の方から連絡がきました。

ビヨンセの新しいツアーに来れないか、というオファーをいただきまして...。

終わったあとに実は、ハワイにヴァケーションに行っていたのですが、着いたその日に連絡がきて、ほんとはすぐに来てほしかったみたいなんですけど...。

ちょっと...今すぐは厳しいと伝えたら、ハワイから帰ってきてからすぐでいいよって言われて。そのハワイから帰ってから、そのまますぐリハーサルに行きました。

藍さんが参加することになったのは、ビヨンセが2016年におこなったThe Formation World Tour。

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ツアーの名前になっているFormationというのも彼女の曲のひとつ。

それはアフリカンアメリカンに対してアメリカで起きている差別に対するいろいろメッセージが含まれています。

この曲のときは、ダンサーが黒人の方のみでかためて、もっとメッセージを反映できるようにしていたと思います。

彼女は女性の権利をアピールするというのがもともとあると思うんですけど、男性と平等な権利をアピールしたりとか、彼女の曲もRun The Worldとか、女の子たちをメインに勇気づけるというか...そういう曲が多かったと思います。

今回のFormation Tourもキャストが全員女性だったんです。女の子のダンサーが20人、バンドも含めて全員女性だったので、女性のパワーだけでショーを作るというのをかなり意識していたと思います。

女性のパワーといえば、ダンサーの島津藍さんが、いま参加しているのは、マドンナのワールドツアーのリハーサルです。今回は、ダンサーとしてではなく、新たなポジションに挑戦中。

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 私は今回、ダンサーとして雇われてなくて、彼女のスタンドイン、というお仕事なんです。

スタンドインというのは彼女の代わりになって、振りをつくるときとか、ナンバーをつくるときに私が彼女の立場になってやって、彼女がオーケーを出したら、彼女にその動きを教える役目なんです。

私がマドンナの振り付けをするわけではないのですが、振り付け師が考えたことを私が習って、彼女に教えるという仕事です。

すべての曲ですね。

例えば本人が習ってるうちに違うステップをやるとそこはそうじゃなくて...とは言いますけど、あとは本人から「ここ間違えたけど、ここ何だったっけ」とうのは、ありますね。

現在は、ロサンゼルス在住の島津藍さんですが、マドンナのリハーサルのため、7月からニューヨークに滞在中。日曜日以外は、毎日、深夜までリハーサルが続きます。

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いや~...、厳しい人だと思いますよ、一番。

でもやっぱり厳しいからこそ、本人がどれだけ本気なのかも伝わりますし、今これだけ細かいところまで気にして毎日リハーサルするアーティストって、なかなかいないと思います。

毎日長くて厳しいリハーサルですけど、一歩下がってみたときに、私のいる立場ってラッキーだなと思います。

最後にうかがいました。アメリカで最初の数年を過ごしたニューヨーク。その良さは どんなところにあると思いますか?

ニューヨークはほんとに誰にもウェルカムなところが一番ですかね。

すごくいろんなところから人が来ているので、私も19歳でニューヨークに来たときに、もちろんカルチャーショックはありましたけど。

どの国から来てる人にもウェルカムなところがあると思うので、特に夢を持っている人には最高の街だと思います。

私はダンサーとして活躍したいという夢を持ってきたんですけど、それと一緒の夢を持っている人がたくさんいたので、刺激し合いつつやってこれたかなというのはあります。