今回、注目するのはクラフトコーラ。

20181130hidden01.jpg

あの『コーラ』を、誕生したときのものとされるレシピに独自のアイディアを加え【伊良コーラ】という名前で製造、販売!コーラ小林さんのHidden Story。

コーラ小林さんが作った【伊良コーラ】はおじいさんの名前、伊東良太郎さんの『伊』、そして『良』という漢字を組み合わせて【伊良コーラ】。まずは、どんなコーラなのか教えていただきました。

20181130hidden02.jpg

「まず大きく二つあって、これは手作りのクラフトコーラである、というのがひとつ。もうひとつは漢方の要素を取り入れた、という点です。これは、いわゆるコーラが生まれた当時のレシピをベースにコーラの実だったり、スパイスだったり柑橘類をまぜあわせて作っているコーラのことですね。もともと、コーラが生まれたのが1885年、アメリカのアトランタなんですけど、世界で初めてのコーラがコカコーラなんです。当時のアトランタの薬剤師の方がある種、栄養ドリンクでありつつ薬のような飲料として売り始めたのが最初です。コーラという名前は、もともと先にコーラの実というのがあってコーラという名前がついたんです。コーラの木は西アフリカ原産の植物で、植物的にはカカオと似た植物です。現地では生の状態でかじって滋養強壮剤とか二日酔い予防とかに食べられています。」

20181130hidden03.jpg

では、コーラ小林さんはそもそもなぜ自分でコーラをつくろうと思ったのでしょうか?

「そもそも私自身がコーラマニアで、世界中のコーラを飲み歩いていたんです。私の好きなものが釣りとコーラなんですが、釣り竿を持ちながら南米、アフリカ、アジアを回って各地で釣りをしながらコーラを飲み歩いていた、というイメージです。で、ある日たまたまインターネットでコカコーラ社のオリジナルレシピ、シークレットフォーミュラといわれているものが金庫からもれ出したというのを見つけたんです。私がコーラマニアというのもあるんですが、私の祖父が漢方薬の職人をやっていて、小さい頃からいろんな生薬とか混ぜ合わせるのを手伝っていたりとか、私が大学院まで農学部で勉強していたというのもあって私の胸がさわいで、『つくりたいな』と思ったのがきっかけになっています。」

小林さんがクラフトコーラづくりを始めたのは、今からおよそ3年前。

そのときは会社員として働いていまして、実はいまもまだ働いてはいるんですけど、当時は仕事をして家に帰ってきてから夜な夜なコーラを作り、また会社に行き、夜はコーラを作り、たまに会社に持って行って同僚に飲ませる、ということをしていました。結構、アメリカとかでもDIY的に作ってみた、というブログとかもあるので参考にはしていました。でも、最初はうまくいかなかったです。人に飲んで喜んでもらえるような味にならなくて困った時期があって、壁にぶち当たったというか。そのときにたまたま祖父と一緒に漢方を作っていたころの記憶がよみがえってきたり、祖父の工房に行って道具を見つけて『これ使えるんじゃないかな』と思ったのがブレイクスルーのきっかけになっています。例えば焙煎する大きな機械とか、あとは秘伝なので言いづらいんですが、煮詰めるための大きな釜みたいなものとかです。」

子どものころ、おじいさんと一緒に過ごした記憶が大きなヒントになりました。漢方の考え方も取り入れるなど、試行錯誤。今年の夏、ようやくクラフトコーラが完成しました。漢方の専門家だったおじいさんの名前、伊東良太郎さんから二つの漢字をとって【伊良コーラ】。現在は、フードトラックで販売中です。

20181130hidden04.jpg

「車もこだわりの車を作っていて、車自体はウォークスルーバンという配達とかに使うものなんですが、中を改造してフードトラック仕様にしています。もともと私が釣りが好きというのがあって船のイメージで作りました。水がテーマになっていて、ロゴもカワセミなんですけど、私の服装もイギリスから個人輸入している漁師の服だったり、普段かぶっている帽子もアメリカの水兵さんがかぶっているような、ポパイの帽子だったり、水をテーマにしているというのがあります。」

クラフトコーラ【伊良コーラ】を手がけるコーラ小林さん、29歳。ものづくりを通して、こんなメッセージを届けたいと考えています。

「私は小さな頃から、植物とか自然とか虫とか魚が好きで、小学校低学年くらいまでは祖父の漢方薬の仕事を手伝っていたんです。ただ、中学校になると社会が決めた価値観というか、何がかっこよくてかっこわるいかという価値観に染まって、祖父との共同作業を避けるようになってしまったんです。自分の手でこつこつやっている仕事は当時の私には魅力的にうつらなかったんですね。ただ、そのあと自分の目で世界を放浪したり、仕事を始めてから、仕事に貴賎はなくて、自分が誇りを持ってやることこそかっこいいんだと気づくことができたんです。ただ、そのときには祖父は他界していて、今となってはいろいろ語りたいのに語れないという状態なんです。そのときに、自分がコーラ作りを通して、いろんな子ども達に自分の姿を見せることで、誇りを持って一生懸命やることこそがかっこいいことなんだ、というのを伝えたいなと思いました。」

20181130hidden05.jpg

伊良コーラ

http://iyoshicola.com