2014年春に初開催。その後、東京では春と秋、さらに全国各地で開催されてきた"肉フェス"。人気のお店が自慢のお肉料理を販売。2015年のゴールデンウィークに開催された肉フェスはなんと94万人を動員。

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大人気となっています。中心となっているのは、ライヴエンターテイメントを提供するAATJ株式会社です。代表取締役社長の杉﨑建二さんにそもそものきっかけをうかがいました。

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「2013年にクールジャパンプロジェクトのイベントのひとつで、Tokyo Crazy Kawaii Parisというイベントをパリで開催したんです。そのときはファッション中心のイベントだったんですが、日本食がフランスで非常にウケるという経緯があって。その食を使ってジャパンコンテンツを世界中に広めていってマーケットを作ろう、というスローガンのもとに、日本でまず最初に食のイベントをやってみよう、ということになったんです。」

音楽を中心としたエンターテイメントに関わる会社が、食に注目。ではなぜ、"肉"だったのでしょうか?

「なんでお肉がテーマかというと、アメリカやヨーロッパ、中東とか世界中を渡り歩いているときに、日本のお肉料理ってガラパゴス化しているんじゃないかということがあって。例えば、欧米ではお肉は塊で買うのが普通ですが、日本は細切れで料理しやすいように売っているんです。でも、それだといろんなお肉料理が作れないんですよね。僕は毎週バーベキューをやっているんですが、塊肉みたいなのを買ってきてそれを料理していく。いろんな部位でいろんな料理があるんですけど、日本だと100グラムいくらとかで売られていて、作る料理が非常に限定されてしまうな、というのを感じていたので。じゃあ、世界中の人たちがやっている料理はこんな感じなんだよ、というのをやっていくと、肉を塊で買ったりとか部位別で買ったりとかということになるんじゃないかと思っていたんですよね。」

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もっと肉の魅力を伝えたい。ならば、素晴らしい肉料理を出すお店を集めたイベントをひらこう。そしてさらに、そこにはこんなコンセプトも盛り込まれました。

「お肉屋さんを集めるのは僕じゃなくても誰でもできることで、僕らが目指しているのはロケーション・エンターテイメントという考え方。その場に来てくれたら楽しい、という場を提供することですね。例えば、欧米にはガーデン・レストランみたいなものがたくさんあると思うんですけど、もっと太陽のしたで美味しいものを食べて、音楽を聞いて、というロケーション・エンターテイメントを作りたいというのが最初にありましたね。」

2014年のゴールデンウィーク、第一回の"肉フェス"が東京の駒沢オリンピック公園で開催されました。集ったお客さんの数、およそ30万人。その後、回を重ねるごとに人気はぐんぐん上昇。多くの人が楽しみに待つイベントになりました。そしてそこには、さらなるヴィジョンが隠されていました。肉フェスを手がけるAATJ株式会社の杉﨑建二さん。実は、ボン・ジョヴィをはじめ、海外アーティストの来日公演の制作を担当されてきた方です。肉フェスには音楽やダンスのステージもあるんですが、そこには、こんな想いが秘められています。

「僕らは音楽業界人です。だからいまCDショップがなくなっていくなか、インストアイベントなんかもほとんどなくなってしまったので、そういう人たちのために人を集めてステージでの発表の場をつくる。それが使命かなと。CD屋さんがないので、店頭でこのアーティストのアルバムが出ましたよ、みたいなことが言えなくなってきているんですよね。それから社会貢献も考えないといけないので、ごみゼロ運動を肉フェスのなかでやらせてもらったり。廃油をバイオディーゼルに変えていこうという運動をアピールしたりとか、骨髄バンクと一緒にドナーになってくださいということに協力したり、社会的な貢献を、人を集めたなかでやっていきましょうと。」

音楽業界に貢献すること、社会に貢献すること。さらにその先には、世界が視野に入っています。

「僕らは日本の食品、日本の畜産業とか農業とかを応援していきたいと思っていますので、これも世界中にマーケットを作らなきゃいけないなと思っています。海外に肉フェスを持って行って、テストマーケティングをしたいです。

畜産の人たちがもうかる仕組み、夢がある仕事にしていかなきゃいけないので、そこに肉フェスが貢献できたらなと思っています。

これをやらなきゃ僕らがやっている意味がないと思っているので、僕の目標とするところは、例えば僕がやっていたボン・ジョヴィというアーティストは世界中ツアーしますよね。日本人でボン・ジョヴィ並にツアーする人はいないですよね。そういうことをジャパンコンテンツで達成するというのが僕らの目標です。全米50州全部回るようなキラーコンテンツを僕らが作るっていうことが目標なので。」

大人気の肉フェス。その背骨をつらぬいているのは、音楽への愛と 世の中に貢献したいという 熱い想いでした。目指すのは、"肉フェス・全米ツアー"。実現した際には、必ず取材させていただきます!

  • ゴールデンウィークに"肉フェス"の開催が決定しました!!

『肉フェス TOKYO 2016 春』

4月28日(木)~5月8日(日)

東京・お台場 シンボルプロムナード公園 夢の広場