今年3月29日、福島県福島市に屋内でスポーツが楽しめる施設『CHANNEL SQUARE』が誕生しました。

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ボルダリング、スケートボード、スラックラインといったスポーツが体験できるほか、カフェもあって、福島の食を味わうこともできます。この『CHANNEL SQUARE』を手がける一般社団法人F-WORLDの代表で、スノーボードやサーフィンのお店を経営してきた平学さんにお話をうかがいました。まずは、この施設をつくろうと思ったきっかけから。

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「2011年の3月に起きた震災と原発事故、そして屋内制限、表での遊びが制限されたというのが一番のきっかけになっております。やはり、放射能がどこにまき散らされたのかなど、その当時は右も左も分からないということがたくさんあり過ぎて、ずっと当たり前に来ていた四季や季節、そこに屋内制限がされたということで、仕事をさせてもらっていた県に恩返ししたいっていうのはあります。
自分の地元を自慢するというわけじゃないですけど、日本全国素晴らしい景色だったりロケーションだったりフィールドってたくさんあると思いますが、自分たちがおこなっていたスノーボードの雪質のクオリティと波質のクオリティが自慢できる環境にいたということに、そこで気づかされた、というのが一番の理由です。」

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当たり前に来ていた「四季」。しかし、子どもたちの遊びは屋内に制限され季節の風を感じることができなくなりました。のびのびと運動することが難しくなったのです。平さんは、仲間とともにインドアパークの建設を考え始めました。難航をきわめたのは"場所探し"でした。

「倉庫などの物件を探していましたが、自分たちの活動に共感はするけど家賃払えるのかという大屋さんや、始めはいい受け答えをしてもらっていたんですけど、中をどうするか分からないということでちょっとお断りしますと言われたり。あとは、用途があわない、ということもありましたね。複合型のスポーツ施設、飲食店もショップもあるということだと、市街化調整区域ではできません、とか。15回くらい大屋さんとか不動産とか市のほうとかに探してもらった中で、ようやくたどり着いたのが今のある場所、南矢野目というところだったんです。」

最終的に場所が決まったのは、去年の12月。春の開業に向け、施設のデザインがスタートしました。

「入り口のデザイン・色味とかそういうところをツリーハウスクリエイターの小林崇さんに作ってもらいました。ツリーハウスではないんですけども、入り口には子どもも遊べるモニュメントを作ってもらったりとか。福島の県木の木を皮をはいで、海から届いた流木を重ねたものなんです。波の形にして、そして波の奥には山が見えてそこで子どもたちが遊んでいる。そんな入り口になっています。このモニュメントですが、制作を"ムキムキ大作戦"というイベントにして、気持ちのあるボランティアさんが120人くらい集まって木の皮をいっしょにはいでくれました。機械ではむけないものなので、みんなの気持ちのある力でむいたのが、入り口の木なんです。」

3月29日、いよいよ『CHANNEL SQUARE』がオープン。入場制限がかかるほど、たくさんの人が駆けつけました。これまでの来場者は1万人以上。そのうち53%は小学生です。また、この『CHANNEL SQUARE』では、GAKU-MCさんが中心となって「ふくしまアカリトライブ」が開催されました。GAKU-MCさんは、その感想をこんな風に話してくれました。

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「ほんとにワクワクするようなスペースなんですよ。ライヴ中も、家族連れで来ている方がたくさんいて、その子どもたちがワーって言いながらかけずりまわっていて、笑顔があふれる素晴らしい場所だったな、そんな風に思っています。この平さんという方、男気溢れる、みんなをひとつにまとめていて、大変な状況のなか仲間たちとアイディアを出し合って、この場所を、想いを持って作った。また僕もきっと福島にたくさん通うと思うので、たまには僕もスケートボートや壁登りをやって汗を流して つながっていけたらなと思います」  

 最後に、『CHANNEL SQUARE』を手がける平学さんにうかがいました。"オープンから7ヶ月以上がたちましたが、今どんなことを感じてらっしゃいますか?"

「自分たちはここを楽しく復興させていくシンボルにしていきたい。いま、全国にお礼のメッセージとしてトークライヴさせていただいていますが、このCHANNEL SQUAREという施設は福島だけがほしいわけじゃなくて、北海道・九州・全国の方たちに、『こういう新しい遊べるコミュニティ施設がうちの街にもほしい』と、たくさんリクエストをいただいています。なかでも福島は大きな県なので、浜中会津といって、浜通りにもCHANNEL SQUAREがあれば大人も子どもも遊べてコミュニケーションができる。福島市だけじゃなくて郡山、それから会津若松の若松にも人とのつながり、絆が生まれる場所になった、というのが一番目に見える手応えですね。笑顔が手応えです。」

たくさんの人と出会える場所、CHANNEL SQUARE。そして、その出会いは子どもたちの未来を変えていきます。CHANNEL SQUAREの挑戦は、まさに、Don't Stop!きょうも 続きます。