サマソニでファレル・ウィリアムスとステージに!

ダンサーAye Hasegawaさんが語る「Happy」と「Freedom」

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今年の夏、サマーソニック2日目のトリをつとめたファレル・ウィリアムス。そのステージで、名前を紹介された日本人ダンサーがいました。それが、Aye Hasegawaさんです。大学生の頃にクラブでダンスに出会い、衝撃をうけたAyeさん。大学に通いながら、ダンサーの友達と練習をしたり、インターネットでダンスの動画を見たり、という日々を過ごしていました。

「その頃はひたすらYouTubeを見てました。ダンスクラスのビデオをアップしてる人がいたんですよ。フリースタイルとか衝撃的過ぎて。最初はそれをずーっと見て真似して練習していました。で、大学卒業と同時にアメリカ行ってみようと思って。そのYouTubeで見てた人たちがみんなアメリカの人で、レッスンもしてるから、これを絶対受けたいと思って。その時は特に誰かのバックダンサーになりたいとかは思ってなかったんです。YouTubeですごいと思う人たちのレッスンを受けたい、ただそういう気持ちで、毎日5~6個レッスン受けてた気がします。」

アメリカ、ロサンゼルスに渡り、ノース・ハリウッドで数々のダンスレッスンに通いました。そして今度は自分も YouTubeで動画を公開しはじめます。このビデオをファレル・ウィリアムスが見つけたのです。Ayeさんは、ファレルのスタジオを訪ねることになりました。

「そのスタジオに遊びに行った時はもう緊張しまくって、うわああああって感じで。ファレルはレコーディングをしていて、レコーディングしてないときはファレルが自分の好きな曲を流していたので、うちらが軽く踊って。そのときずっと見られてるのが分かってたんですけど、せっかく呼んでもらったし踊んなきゃいけないかなと思って、頑張って踊りました。緊張しすぎてもう何にも覚えてないです。緊張しすぎると音が聴こえなくなるので、とりあえず自分のことを落ち着かせようと思って、曲を聴こうと。そのあとにふたりで話して、You are amazing. とかYou are such a special. とかすごくいいことを言ってくれて。」

この出会いが3年ほど前。その後、あのHappyをはじめとするファレルのソロプロジェクトがスタートします。しかし...

「ファレルのオーディションがあるって噂で聞いたんですけど、呼ばれなかったんですよ。え?と思って。ま、でも呼ばれなかったら呼ばれなかったか、と思ってその日ぷらぷらしてたら、インスタグラムでファレルの振り付け師のアシスタントからコメントがきてて。『今からオーディション来れる?』って。でもそのオーディションが30分後で。化粧してないしパジャマしか着てないし。もう家から出てて、家のカギも忘れてたからそれで行くしなくて。ほんとに恥ずかしかったけど、すっぴんとパジャマで行って、オーディションを受けてきました。パジャマですっぴんで、もうすみませんって(笑)」

今年のグラミー賞受賞式。ファレルは、アフリカ系アメリカ人の少年が警官に射殺されたことへのメッセージとして、「Happy」をいつもとは違う、ダークでシリアスなアレンジでパフォーマンス。Ayeさんも黒いフードの衣裳でそのステージに立っていました。

「そのとき、いろいろ差別とかの事件が起きていて、黒いフードを着てるアフリカ系の子が撃たれちゃったじゃないですか。それで衣裳もそれを着てたんですけど。アーティストというか、インダストリーに出てる人でそれをメッセージとして伝える人がいなかったので、ファレルがたぶん一番最初にメッセージを送った人で。それがどう伝わるのか、たぶんこわがってたと思うんですけど、でもちゃんとメッセージを送ったのはすごいなと思って。」

ちなみに、Aye Hasegawaさん。さまざまなアーティストのミュージックビデオにも出演されていますが最初の作品、David Guetta featuring Estelle、「One Love」に出る前はまったくオーディションに合格しませんでした。   

「その前まで全然受かんなくて。アメリカでエイジアンとしてやるには、髪の毛は真っ黒・前髪パッツンじゃないと仕事できないのかなと思って。食べまくってむちむちになって、前髪もパッツンにしていかにもそんな感じに見せてたんです。ニッキーミナージみたいなルックじゃなきゃいけないのかと思っていて。でもそれは自分じゃなかったんで、まったく受かりませんでした。1年くらいプニプ二しながら踊ってた(笑)。で、もういいやと思って、エステルのオーディションのときに自分の好きなやつを着て好きな髪型で行ったら受かって。その時に、あ、それでいいんだと。特に気にしなくても自分をおしていけばいいのかなって。」

今年6月に発表されたファレルのシングル「Freedom」。サマーソニックでも、最初と最後に2度演奏されました。

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「フリーダムっていう新しい曲を出したんですけど、それもメッセージが強い曲ですね。ツアーで一番最初と最後に2回やるんですけど、どんな立場の人も、例えばお金持ちとか貧乏とか、メンタル的にどうとか、そういうのを置いてフリーダムを持つ権利があるって言っていて。たぶんタイミング的に私にも必要な時だったので、毎回、鳥肌たちながら泣きそうになりながらステージにあがってます。みんなに聴いてほしいですね。ファレルはすごく尊敬してくれてるし、AyeはAyeでいい、みたいなことを言ってくれていて、もうこれでいいんだ、と思って。髪型も自由にできるし、踊り方も、こうしなきゃ、バックアップダンサーだからきれいに踊らなきゃ、というのではなく、もちろんちゃんと踊らなきゃいけないんですけど、でも自分の色を消してほしくないんで、ファレルは。これでいいんだと思って、ただ楽しんで踊ってます。感謝、感謝。」

西洋におけるアジアの女性のステレオタイプを捨て、自由に、自分らしくパフォーマンスしたことでさらに大きなステージに立つことができたAye Hasegawaさん。今はファレル・ウィリアムスとともに世界中にメッセージを届けます。合い言葉は、Freedom、そして Happy。

Aye Hasegawaさんのダンスが、人と人、心と心をつなぎます。