今週は、ただいま大人気!ココナッツオイルに注目。その専門店 ココウェルに聞いた ココナッツオイルのHidden Story。
一部では 品薄の状態になっていると言われるほど大人気のココナッツ・オイル。まずは、どんなものなのかというと、、、
ココナッツ・オイル自体は、ココナッツの実のなかの白い果肉の部分を圧搾してしぼったオイルですね。食用と美容用の2通りの使い方があるんですが、食用としては、バター代わりに使われたり炒め物、揚げ物に使われたり、一般の食用油として使われます。化粧用はですね、体につけていただいたり顔につけていただいたり髪につけていただいたり保湿効果があるということで使われていますね。
そんなココナッツオイルを専門に輸入販売するのが、大阪にある株式会社ココウェルです。今回、取材にお答えいただいたのは、代表取締役の水井裕さん。そもそも会社を立ち上げるきっかけについて うかがいました。
もともとは僕は2002年にフィリピンに環境問題を勉強するために留学していたんですね。数ヶ月勉強しに行っていたんですけど、そこで実際に見たものは、環境問題以前に、そこでその日暮らしというか、毎日生きるのが精一杯の人たちを見まして、ショックを受けまして、何かこの国に対してできることはないかなと考えたときに、ココナッツというのがですね、その国にとってはすごく大きな産業で、ココナッツ農家さん自身がしいたげられているのを見まして、ココナッツをもっと大きな産業にすることができれば彼らの生活も変えることができるんじゃないかなと思いまして。
環境問題を学ぶために留学したフィリピンで、水井さんが より切実なテーマだと感じたのは、貧困の問題でした。2004年、ふたたびフィリピンを訪問。
そのときに調べまして、実際現地に何があるかと考えたら、やっぱりココナッツだったんですね。ココナッツは至る所にありますし、しかもココナッツは環境にもいいですし、いろんなものが取れるんですね、捨てるところがなくて、活用できるところが多いので、まだまだ可能性がある植物じゃないかなと思って。
水井さんは、その年、株式会社ココウェルを設立。フィリピン、ケソン州の工場と契約を結び、ココナッツオイルの輸入をスタートしました。ひとつ、気になっていたことを水井さんにたずねました。ココナッツの農園を作る際に、自然環境が大きなダメージを受けることはないのでしょうか?
ココナッツに関して言いますと、他の植物と共生がすごくしやすい植物でして、ココナッツ自体が背が高いということもありますし、ココナッツの根っこが横に伸びていかないというのがありまして、なので、ココナッツを植えた横に他の木があったりマンゴーの木が植えられていたりバナナが植えられていたりと共生しているところも結構ありますね。結構パームと間違えられる方も多いんですけど、パームというのは大規模にプランテーションしてすぐ搾油しないとオイルの劣化がはやいんですね。なのでプランテーションのすぐ近くに搾油工場を設けて大規模にやっているようですがココナッツはそういうことはまったないですね。
フィリピンの貧困問題を解決したい、ということで始めたココナッツオイルの事業。その成果は、、、
ひとつ商品が売れるごとに3ペソを現地の農家さんに還元するという活動をしています。だいたい8円くらいなんですけども。結構な金額になっていますね、今は。例えばですけども、ココナッツの苗を買ったりとか、肥料としてお塩をよく使うんですね、化学肥料ではなく天然のお塩を使ってココナッツの生育をよくするのでそういうお塩を買ったりとかそういうものに使ったりしていますね。最近ではJICAさんとのつながりも大きくて、小さな村で産業をおこすとなったときに、ココナッツは大きな手段になりえるので、僕が直接行ってそこでココナッツオイルの作り方を指導したり、ココナッツのお砂糖を作るのを指導したりもしていますので。
さらに、こんな活動もおこなわれています。
おととしに大きな台風がフィリピンにきたんですね。8000人くらいの方が亡くなったんですけども、そのときに3400万本くらいのココナッツの木が倒れたんですね。農家さんにもかなり影響が出まして仕事がなくなる方が多く出たんですけど、うちとしてはココナッツオイル専門店としてココナッツの木を使って何かしようということで、最近、雑貨づくりを始めています。
ココウェルの売り上げは、なんと 前年比 およそ4倍。しかし、水井さんには、ひとつ気がかりなことがあります。
今はブームの状況ですので。昔、ナタデココが日本でブームになってそれが過ぎ去ったときに、現地でかなりの失業者が出たんですね。それについては危惧していまして生産者といっしょにブームに終わらせずに安定して供給していきたいと思っていますけど。
現地の生産者に寄り添いながら、ブームに終わらせない商品づくりを。フィリピンと日本をつなぐ日々が続きます。