かつて 東急東横線の電車が走っていた 代官山と渋谷のあいだの 線路の跡地。
東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転開始にともない使われなくなった土地を 再開発。さまざまなグルメやファッションを扱うお店が並ぶ場所が誕生しました。
名前は、LOG ROAD DAIKANYAMA。
こちらのプロデュースを手がけた、柴田陽子事務所の 柴田陽子さんにそもそものはじまりについてうかがいました。
2012年の10月くらいにコンペがあって、東急電鉄さんが代官山--渋谷間の線路跡地に新しい商業空間を作りたいということで、商業空間というか線路跡地の利用についてどう考えるかというコンペがあって、そこで私の案を選んでいただいたのがお仕事のスタートです。
普段はコンペという形ではあまり参加はしないんですが、自分が代官山に住んでいて代官山で働いていて、代官山の開発というのは見逃せないなと思いまして参加させていただくことになりました。
では、柴田さんは、そこをどんな場所にしたいと考えたのかというと、、、
代官山に住むひとりとして、老若男女が自然の空気を感じながら、そしてでも代官山ですから都会的な刺激も受けつつ、食べたり買ったり、休んだりとか集ったりとかという空間ができたらいいなと思って。私はよく週末、軽井沢で過ごすことが多いので、その軽井沢の別荘地を散歩しているときのような、木のコテージのなかでそのことがおこなわれたらいいなと思って提案したんです。
都会のなかで自然の風を感じられる空間づくり。ランドスケープ・デザインには、齊藤太一さんが起用されました。
齊藤君にお声かけをして、都会的で洗練されたもの、それから、四季を感じるもの、作り込みすぎてないもの、、、作り込みすぎてないというのはすごく難しいし贅沢だと思うんですよね。それから、軽井沢のようなあまり外国外国してないというか異国情緒あふれすぎないものというか、そういうような形でお願いをして、ところどころベンチを置いて休憩のスペースを設けたりですとか、実のある木などをうまく使って、レモンがなっていたとか、ラフランスって食べているけど葉っぱはこうなんだねとか、会話が弾むようにとか、それからなんとなく香りのでるもので、去年も同じあの香りの季節にここに来たね、という話になるもの、というような形で話を持ちかけました。
東急東横線の電車が走っていた代官山と渋谷のあいだの線路の跡地に作られたLOG ROAD DAIKANYAMA。プロデューサーの柴田陽子さんを中心としたチームは何度も現場に足を運び、プランを練りました。実際線路の上をみんなでヘルメットかぶって何度も歩きながら、ここに建物があって、視線がこうなるから少しずらしてこっち向いてここに建てようかとか、そういうことを考えながら。
やっぱり、少し高い場所にあるので見通しがよくて細い分、長く縦に見えて、明日に向かう道じゃないですけど、大変気持ちがいいんですけども。少し代官山のほうから行くとスロープがのぼっているというか空がほんとに大きく見えて、現場にいくと、あ、ここはうまくいく、と感じる空気感なんですけど。
そして、そこにはどんなお店が並ぶのか、柴田さんに教えていただきました。
キリンビールさんがオープンするクラフトビールをテーマにしたSPRING VALLEY BREWERY TOKYOというレストランですね。透明のタンクのなかでその場でクラフトビールが誕生して、で、それを中心に朝から夜まで、食べたり飲んだりお茶したりということが過ごせる、とっても、行けば、「ああ素敵」と思えるし、どなたかにとっては一生に一度の思い出になるようなレストランができるのと、あと、恵比寿側のはしには、サンフランシスコで行列ができるTARTINE BAKERY&CAFEというベーカリー、ですね。でもまだオープンには間に合わなくて、その理由も「妥協なきパンができるまで」みたいな、ちょっとディペロッパー泣かせではあるんですけど、まあ街に長く愛してもらえるためならそういうのもありかなということで5月以降のオープンを予定しているパン屋さん。それから真ん中はですね3棟使ってFred Segalという私も大好きなんですけどもロサンゼルスにあるセレクトショップですね。
後にうかがったのは、こんな質問。LOG ROAD DAIKANYAMAのプロデュース。難しかった点、そして特に心をくだいたのはどんなことだったのでしょうか?
やっぱり線路跡地なので地理的なのり面というか、道と線路の段差を埋める方法とかそういうこともあったし、代官山という場所は代官山に対する想いも強くて街の方の想いだったり見ている方向性も強い場所なので、みんなの賛成をひとつにして開業するのが幸せな場所になるかなということでそういう活動が、商業施設を一個バンとたてるよりは工夫したところですね。
代官山に暮らし、働くプロデューサーが「明日へ向かう道」と表現する気持ちのいい場所。街に愛される場所を目指して、LOG ROAD DAIKANYAMAは今日から時を刻み始めます。