今日は、ジャズピアニスト、上原ひろみさんの"PLAY IT LOUD"。

おはようございます、上原ひろみです。
私がいまリスナーの皆さんとシェアしたい曲はヤードバーズの「Lost Woman」です。私はジェフ・ベックが大好きでこの曲に出会いました。ジェフは先日残念ながらこの世を去ってしまったので、ここのところは寂しくてジェフばかり聴いています。この曲は特にイントロのリフが本当にかっこよくて大好きです。ジェフ・ベックはとにかく音がかっこいい!アルバムも音が飛ぶぐらい何度も聞いて、彼の曲を自分の作品でカバーした時は、CDの音飛びまで再現してしまったほど小さな頃からずっと聞いてきました。最近、大好きなミュージシャンが立て続けに亡くなってしまいとても寂しいですが、彼らの音は永遠です。曲をかければいつでも会うことができる。素晴らしい録音をたくさん残してくれたことにとにかく感謝です。それでは聴いてください、ヤードバーズで「Lost Woman」。
ジャズピアニスト、上原ひろみさんに選んでいただいたナンバーは、The Yardbirds、1966年の楽曲 「 Lost Woman 」。上原さんおっしゃっていた通り、イントロと後半にも出てくるギターリフ、かっこいいですよね!
ヤードバーズ、馴染みのないみなさんにちょっと解説しますと、 ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、 つまり、のちに「世界三大ギタリスト」と称される3人が在籍していた伝説のバンドです。クラプトン脱退後にベックが三代目のギタリストとして加入、その後、ベックも脱退。最終的に残されたジミー・ペイジがヴォーカルのロバート・プラント、ドラムのジョン・ボーナムらとともに名前を変えて再始動させたのが「レッド・ツェッペリン」です。CDの音飛びを再現するほど、ヤードバーズ、そしてジェフ・ベックの演奏を聞き込んでいた上原さん。先日の訃報はショックだったことと思います。しかし、すばらしい作品たちは永遠に聞き継がれていきます。素敵な選曲、ありがとうございます。
では、上原ひろみさん、近況を教えてください。
さて、私、上原ひろみですが、現在公開中のアニメーション映画「BLUE GIANT」のサウンドトラックを担当しました。
2013年からビックコミックで連載されている漫画がこのたび映画化されました。ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた主人公が必死に挑みながら成長していく物語です。
この主人公が仲間と作ったバンド「JASS」楽曲はもちろん、劇中の音楽をほとんど描き下ろしました。やっぱり自分自身の演奏ではなくて、そのキャラクターの演奏なので、主人公だったり、劇中の人物のプレイをするっていうことで、楽器を通して演技しなければいけなかったので、そこはすごいハードルでしたし、みんなで相談しながら、もうちょっとこういう音色がいいかなぁとか、こういう音がこのキャラクターには合ってるんじゃないかなと、そういう話をたくさんしながら作っていきました。
この原作の持つ情熱っていうものを、ちゃんと伝えられることができたなと思いました。映画「BLUE GIANT」は現在公開中、そしてサウンドトラックも発売となっています。劇場で、大音量で、この音楽を楽しんでいただけたら最高です。以上、上原ひろみでした。
アニメーション映画「BLUE GIANT」。世界一のジャズプレーヤーを目指す宮本大のサックスを演奏するのが馬場智章さん。大と高校の同級生だった玉田俊二のドラム演奏をmillennium parade のメンバーとしても活躍する石若駿さんが、そして、大が東京で出会うピアニスト沢辺雪祈の演奏を上原ひろみさんがご担当。
そのほか、劇中を彩る音楽も上原さんが担当されています。アニメーション映画「BLUE GIANT」は現在公開中。劇場にお越しの際は感染防止にご協力を!そして、サウンドトラックも発売中です。こちらもぜひチェックを。上原ひろみさん、素敵な選曲・コメントありがとうございました。
