今日は、映画監督、清水 崇さんのPLAY IT LOUD。

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おはようございます、映画監督の清水崇といいます。僕がいまリスナーの皆さんとシェアしたい曲は、Suzanne Vegaの「Tom's Diner」です。ほんとに何のきっかけもなく、ふとした時にたまに思い出してはふっと口ずさむというか鼻歌といいますか、というのがこの曲なんです。いつだったか僕が高校生の頃だと思うんですけどあのテレビCMでも使われたんですよね。で、当時僕の弟から「兄貴、この歌知ってる?」って「この曲なんて歌なの?」って聞かれて弟に教えた記憶が残ってて、なんか特に煽るとかサビが盛り上がるとかっていうわけでもなく、淡々とした日常をそのまんま綴っているような歌詞もメロディーラインも好きで、たまに、あ、なんで今出てきたんだろう?って感じで出て来るので選ばせてもらいました。では聞いてください、Suzanne Vegaで「Tom's Diner」。

映画監督、清水 崇さんに選んでいただいたナンバーは、Suzanne Vega 「 Tom's Diner 」。

87年のナンバーで、当時、日本ではコーヒーミルクのコマーシャルソングとして使われていました。思い出とリンクしている曲って、ふと思い出して口ずさんでしまうこと、ありますよね。きっと弟さんとのなにげない、でも、大切な時間だったんでしょうね。      

この曲は、恋人と別れて「Tom」のダイナーで過ごしている主人公の独り言というスタイルで、どこか寂しさを感じる歌詞です。「Tom's Diner」といえば、90年にDNAというグループがリミックスしたバージョンも有名。レコード会社にリミックスの打診をしたところ門前払いされ、無許可で出した海賊版をスザンヌ本人が気に入り、のちに正式リリースに至ったというエピソードが最高です。

素敵な選曲、ありがとうございます。では、清水 崇さん、近況も教えてください。

僕、清水崇ですが、監督を務めた映画「ホムンクルス」がきょうから公開になります。これはですね漫画が原作なんですけれども、新宿の一流ホテルと通りを挟んで向かい側にあるホームレスが暮らしているような公園とのあいだで車の中だけで車上生活をしているっていう男が主人公でして、医大生の怪しい男が近づいてきて、頭蓋骨に穴を開けることで第六感が芽生える、普通の人にはない人間的に別の感覚が覚醒するという実験をしたいということで言い寄られまして、実験を受けたらとんでもないことになりまして、自分の右目を隠して左目だけで見ると、世の中の人間が異様な姿に見える、で、実は人それぞれ違う異様な姿というのが、その人その人が抱えている心の闇、トラウマに関係してくるらしいということが分かって、物語がどんどん進んでいくんですけれども、現代でいろんなことを感じストレスを抱えながら生きている老若男女問わず、どこかしら観る方の自分のどこかにえぐられるように突き刺さる映画だと思いますのでそこを観ていただきたいです。映画「ホムンクルス」はきょう公開です、ぜひご覧ください。以上、清水崇でした。

清水監督、ご紹介ありがとうございます。主人公・名越 進を演じるのが綾野 剛さん、研修医の伊藤学を成田 凌さんが演じています。頭蓋骨に穴をあける手術「トレパネーション」を受けた名越の左目には一体何が見えたのか、出会う人々の"異様な姿"のわけとは...。

映画「ホムンクルス」、本日公開です。劇場にお越しの際は、感染防止対策にご協力を!清水 崇さん素敵な選曲・コメントありがとうございました。