20261030c01.jpg

あさって、11月1日は「警備の日」です。

1972年のこの日、警備業法が施行されたことにちなんで、「一般社団法人 全国警備業協会」が制定した記念日です。

さまざまな場所、シチュエーションで安全を守る警備員のみなさん、日々お疲れさまです!

さあ、警備にまつわる事情、日本と海外ではどんな違いがあるのでしょうか?

この時間は「世界の警備事情」と題して、2つの国・街の番組通信員の方に回線をつないで、お話を伺います。

まず、回線をつなぐのは、パリ郊外でレストラン「ヴェルチュ」を営む、柳瀬充さんです。

Q1 本題に入る前に...フランスでは抗議デモが続いていますが、現在の状況はいかがでしょうか?

A1 はい。近年稀に見る混乱状況のフランスですが、前週に続き24日、フランス全土で生活費の高騰をめぐる抗議デモが繰り広げられ、数十万人が参加しました。今回は概ね平和的で、いくつかの都市では、警察が催涙ガスや放水銃を使って抗議者を解散させたようです。

ちなみに、私の生活圏のパリ西側のブーローニュ市では、そのような動きはなく普段通りの様子でした。

Q2 本題に入りまして、フランスには警備会社、たくさんあるのでしょうか?

A2 フランスには警備会社がたくさんあり、企業データベースによると2万件にも及び、そこに従事している人数は30万人とも言われます。

(※日本の警備会社の数はおよそ1万社、警備員はおよそ60万とも)

Q3 フランスの警備員さんのお仕事ですが、セレブのためのボディーガードや、お店や施設のガードマンまで、たくさん種類があるんでしょうね?

A3 はい。警備員にも種類があり、施設警備、身辺警備、空港警備、イベント警備、現金輸送・巡回警備などに分かれます。

Q4 フランスでプロフェッショナルの警備員になるためには、何か資格や訓練はあるのでしょうか?

A4 フランスで警備員になるには、国家民間警備活動評議会が管理する職業カードが必要になります。取得には当局で審査基準を満たし、訓練を受けるようです。業種によっては、そこからさらに専門の資格取得と訓練が必要になります。

Q5 日本ではアルバイトの学生さんや、定年でリタイアした方が警備の仕事に就くケースも多いですが、フランスの場合は?

A5 フランス(パリ)の場合は、高齢の警備員はほぼおらず、公共の施設でも訓練を受けた専門の人がいることが多いです。

Q6 デモの一部が暴徒化してしまうような事態を考えると、警備員さんたちの存在は重要ですよね?

A6 パリや主要都市では常にデモや犯罪の脅威があるため、警備員がいると安心感を感じます。その一方で、今回の暴動でパリのうちのような個人経営の店が被害を受けているのを見ると心が痛みますね。

つづいて回線をつなぐのは、メキシコの首都・メキシコシティ在住のフリーアナウンサー、御影倫代さんです。

Q1 メキシコでは警備会社、たくさんあるのでしょうか?

A1 それが調べたところ、警備会社の数そのものは日本の方がたくさんあるそう。

それは日本では工事現場や道路などの誘導警備が法律で決まっているので、その需要がありますがメキシコではその文化がないのです。

日本の警備は「サービス業・インフラ維持」に近い性質ですが、メキシコの民間警備は「警察の代替・軍隊に近い防衛」ですかね。

Q2 メキシコの警備員さん、仕事内容はどうなっていますか?

A2 完全にピンキリです。クオリティは全てお金(報酬)次第。

ただただ立ってるだけの警備員もいれば、映画に出てくるSPみたいな人もいます。

この前、宝石を修理してもらおうとネットで調べていった宝石屋さんがうっかり高級店で、そこは店内に入るまでに何人もの黒いスーツの屈強な警備員がいた上に、ドア一つ一つに許可を求められました。

私、完全に場違いでした。

セレブや超富裕層(実業家、政治家、芸能人など)を護衛するプロの身辺警護員は、「エスコルタ(Escolta)」と呼ばれます。

彼らは日本のボディーガードのイメージとは異なり、銃撃や誘拐が日常茶飯事であるメキシコの過酷な治安環境に対応するため、「軍隊レベルの戦闘集団」としての性質を持っています。

見た目はクライアントの要望や状況に応じて「超・威圧型」と「完全・ステルス型」の2つのスタイルに分かれます。

がどちらも防弾チョッキと銃はマストです。

そして耳には無線インカムでステルス型も威圧型も屈強です。

マジで映画の世界です。

Q3 警備員になるためには何か資格や訓練はあるのでしょうか?

A3 エスコルタは一般人が数か月の研修を受けてなれるような職業ではありません。

メキシコでセレブに雇われるトップクラスのエスコルタになるには

  1. 軍や警察の精鋭出身者(これはもう必須レベル)であること。メキシコ軍の特殊部隊や連邦警察の元隊員が最も重宝されます。

  2. 高度な戦闘スキルと運転スキル。防弾車の極限運転(銃撃を受けながらバックで時速80キロを出して逃げる、みたいな)の特殊な運転技術の訓練を受けているそう。また誘拐犯と至近距離で撃ち合い、確実にヤル技術も求められているそう。

去年、最寄りのスタバでカルテルのボスが撃たれて亡くなりましたが「大丈夫。プロの仕業だから一般人は安全だよ」と安全なのか安全じゃないのかよくわからないことを言われました。

  1. 徹底した身辺調査。メキシコでは警備員や警察とギャングが表裏一体。警備員が麻薬カルテルと内通してクライアントを誘拐するという最悪のケースがあるため、ポリグラフ(嘘発見器)や、家族を含めた厳格な身元調査をパスした人のみが選ばれます。

Q4 メキシコの警備員は、やはり命がけのお仕事なんですね。

A4 今までのはセレブ担当の警備の話で、街中にいる警備員は銃は持ってるものの、ほんとに仕事してんの?と思ってます。

ケータイで動画見てたり、知り合いは顔パスで通過させてたり。

Q5 そのほか、メキシコの警備の特徴というと...?

A5 メキシコ警備界隈の最大の特徴は「裏の顔」ですかね。

メキシコでは、非常に優秀な元軍の特殊部隊員が、さらに高額な報酬を提示されて麻薬カルテルのボスの専属ボディーガードに引き抜かれるケースが絶えません。

そのためセレブを守る「エスコルタ」と、犯罪組織側のガードマンが表裏一体であるというのがメキシコならではの複雑な現実です。