
「東京税理士会 PERCENT WORLD」!このコーナーでは、毎月1回、税についての「頼れるパートナー」=税理士さんによる、税のワンポイント解説をお届けしています。
今回のテーマは、「金の売買での税金」についてです。近ごろ、金の価格が高値更新、というニュースや、買取り業者の広告をよく目にしますが、金は一般的な金融商品と違って、銀行や証券会社以外でも売買できます。売った後、利益が出た際、その時にはどんな税金がかかるのでしょうか。
今回は、この制度について、東京税理士会の、今津菜穂美さんにお答えいただきます。
金を売って得た利益は、一般的に「譲渡所得」として、給与など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。利益、つまり「譲渡益」の計算は、金を売った金額から、買ったときの金額や売るときにかかった手数料などを差し引いて算出します。また、金は所有している期間によって、税金の計算が変わります。所有期間が5年以内の場合、「譲渡益」から50万円を引いた金額に税金がかかります。所有期間が5年を超える場合は、「譲渡益」から50万円を引いた金額の、さらに2分の1の金額に税金がかかります。
利益は「譲渡所得」として確定申告をする必要があり、売った金額と買った金額の差額に税金がかかるということ。また、所有期間5年以内なのか5年を超えるのかで税金が変わってくる、ということ。ところで、毎月定額で金を購入する積み立てのプランもありますし、持っている金を全部ではなく一部だけ売却することもあると思います。そのようなケースではどのようにすればよいのでしょうか?
積み立てで購入した金を一部だけ売却する場合、その売却した金の買ったときの値段、つまり取得価格は、平均で求めることになります。具体的には、これまでに購入した金の合計金額を、これまでに購入した金の合計グラム数で割って、「1グラムあたりの平均購入価格」を出します。そして、売却時には、この平均購入価格に、今回売却する分のグラム数をかけて、売却分の取得価格を算出します。こうした計算を正しく行うためには、購入したグラム数、金額、購入日などの履歴を正確に記録しておくことが重要です。
常に価格が変動する金の価格。正確に計算するためには、金を買った時の価格の履歴をきっちりと残しておくことが必要ですね。詳しくはお近くの税理士さんにご相談ください。
今月は、「金の売買での税金」がテーマでした。東京税理士会の今津菜穂美さんに教えていただきました。ありがとうございました。
