今回のテーマは「ひとり親の税金」です。法律上のひとり親というのは、離婚や死別、未婚などさまざまな理由によって配偶者がいない状態で 子どもを扶養している家庭のことです。ひとり親の場合、所得税や住民税の所得控除で、税負担が軽減される制度がありますが、今回は、この制度について、東京税理士会の、鈴木玲さんにお答えいただきます。

「ひとり親控除」とは、扶養している子供がいるひとり親が所得税や住民税の所得控除を受けられる制度です。

基礎控除のほかに所得税は35万円、住民税は30万円の所得控除がさらに適用され、税金の負担が軽減されます。

従来の「寡婦控除」は、夫と離婚もしくは死別後に再婚していない女性が対象でしたがこの「ひとり親控除」では婚姻歴がなくても控除を受けられます。こちらは、父親も対象となります。

「ひとり親控除」は、控除を受ける年の1231日時点で婚姻をしていない、または配偶者の生死の明らかでない人が対象です。さらに、事実上婚姻関係と同様のパートナーがいない、生計を同じくする子供がいる、そして合計所得金額が500万円以下であることなどの要件が必要です。

2020年から「ひとり親控除」の制度が始まって、より広い人々に恩恵がある制度となった、ということですね。では、この「ひとり親控除」は、一般的な「扶養控除」とはどう違うのでしょうか?

「扶養控除」は一定の扶養親族がいる場合に適用する所得控除のため、「ひとり親控除」と併用することができます。 主な違いは、扶養している相手について、子供以外の親族が含まれるか含まれないか、そして年齢制限があるかどうかの2点です。 「ひとり親控除」は納税者本人が子供を扶養しているなどの要件に該当すると定額の控除を受けられます。「扶養控除」は「ひとり親控除」と違って、納税者の扶養している親族が16歳以上で一定の要件に該当していると、年齢に応じて1人あたりの控除額が定められています。

「ひとり親控除」は、追加の所得控除となる分、「扶養控除」よりも 細かく要件が決められています。いずれの制度も、年末調整または所得税の確定申告で申告することになります。詳しくはお近くの税理士さんにご相談ください。