今回は、医療保険と税金について東京税理士会の、徳田直志さんに教えていただきます。怪我や病気によって医療保険が支払われ、保険による収入が、実際にかかった医療費の支出より多くなった場合、どのようにすれば良いのでしょうか?
生命保険会社から受けた、入院給付金などの保険金は、非課税となります。ですので、その分の収入について申告はする必要はありません。また、医療費控除制度を利用して、既に負担している税金の一部を確定申告で還付してもらおうとするときには、負担した医療費から補てんされた給付金を差し引いて、医療費を計算しなければなりません。なおこの場合、かかった医療費より 医療保険の給付金の方が多くなったとしても、もともと保険金は非課税ですから、申告不要です。
怪我や病気などで入院した時、また通院する費用に備えて加入する医療保険。実際は、かかった費用よりも多い金額を受け取る場合があると思いますが、多く受け取った場合でも、その分には税金はかからない、ということですね。また確定申告での医療費控除のときには、かかった医療費と医療保険の給付金額の差額を計算することになりますが、給付金額が多い場合、申告する必要はありません。それでは、保険金を受け取った保険とは別の病気などで、複数の病院に通院したり、薬局で薬を購入した場合、受け取った保険金全体から その支出を差し引いて医療費控除を申告することになるのでしょうか?
確定申告の医療費控除では、その内訳は個別対応になります。ひとつのケガや入院について、ひとつの医療保障というように支払われるので、複数の医療機関への支払いがあっても、トータルで収入と支出を計算せず、対象となる分のみだけを計算して、あとの分は医療費控除対象に含める、ということになります。つまり、他の病気で負担した医療費などの支出と、今回おりた給付金とが 関係ないのであれば、差し引いて申告する必要はありません。
ある病気による保険による給付金と、そのほかの病気や怪我でかかった治療費などは、合計で計算しなくてもいい、ということですね。手続きはケースバイケースですので、専門家であるお近くの税理士さんにご相談下さい。今月は、「医療保険と税金」がテーマでした。東京税理士会の、徳田直志さんに教えていただきました。ありがとうございました。