今月は、「新NISAと税金について」がテーマです。今年から始まった新しい制度ですが、大きな話題となっています。どんな制度で、どんなメリットがあって、今年から何が変わったのか、あらためて教えていただきます。東京税理士会の、坂田英昭さん、お願いします。

一般的に、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、売却して得た利益や受取った配当に対して、およそ20%の税金がかかります。これに対して、NISAとは、NISA口座で毎年一定金額の範囲内で、購入した金融商品から得られる利益に、税金がかからなくなる制度です。昨年までのNISAは、「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類があり、それぞれの制度の中で、株式などを非課税で保有できる期間や年間の非課税金額の枠などが詳しく定められていましたが、今年からは、保有期間は無期限、また、非課税の金額も増えました。そして、昨年までは「一般NISA」と「つみたてNISA」は、どちらかひとつのみしか利用できませんでしたが、今年からは、従来の一般NISAにあたる「成長投資枠」と、従来のつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」の2種類になり、それを 両方同時に利用できるようになりました。

毎年、一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益に、税金がかからなくなるメリットがある、というNISAの制度。今のコメントにあったように、今年から大きく変わりました。では、気をつけるべきポイントはどんなところでしょうか。

NISAでは、年間の投資限度額が増え、「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円に拡大され、合わせて最大360万円となりました。さらに、非課税となる保有期間は従来の5年から無期限となり、非課税保有限度額は全体で1,800万円となっています。ただし、NISAの投資対象の金融商品で損が出た場合には、NISA以外の金融商品で利益が出た分からNISAの損失の部分を引いて税金を計算する、いわゆる「損益通算」ができません。上手に資金を運用するためには、自己責任による投資判断が必要となるので注意が必要です。

注意点としては、通常の課税の口座の場合、利益と損失を計算してから税金を支払いますが、NISAの金融商品で損失が出た場合は、他の金融商品の利益から その損失分を差し引いて税金を計算することができない、ということ。(これは従来のNISAと同じなんですが、ご注意を、とのことです)詳しくはお近くの税理士さんにご相談ください。

今月は、「新NISAと税金について」がテーマでした。