毎月1回、税についての「頼れるパートナー」=税理士さんによる、税のワンポイント解説をお届けしています。今月は、あさって10月1日から始まるインボイス制度がテーマです。年間1000万円を超える売り上げがある企業や個人の場合はすでに、インボイス制度に必要な「適格請求書 発行事業者の登録」を受けていて、登録番号が発行されていると思います。一方、売り上げが1000万円以下のフリーランスや個人事業主はどのようにすればよいのでしょうか。
この点について、東京税理士会の、山崎浩之さんに教えていただきます。まず、売り上げが1000万円以下のフリーランスや個人事業主の請求書は今後どうなるのでしょうか。
令和5年分については、令和3年分の課税売上高が1000万円以下の場合には免税業者となります。よって、消費税額を含まない請求書を発行する場合は、手続きは必要ありません。ただし、消費税額を含んだ請求書を発行していた方は、現状のままですと、来月からのインボイス制度を機に、消費税分を含めた「適格請求書(インボイス)」を発行できなくなりますので、「適格請求書発行事業者の登録」が必要です。もちろん、令和3年の課税売上が1000万円以下の個人事業者でもインボイスの発行事業者となるために「適格請求書発行事業者の登録」をおこなうことが出来ます。その場合には所得税の確定申告のほかに、消費税の申告と納付を行うことが必要となります。
年間売り上げが1000万円以下で、消費税を含まない請求書を発行している方(つまり免税事業者)はインボイス制度が始まる来月以降も、手続きをする必要はなく、いままで通りの請求書を出すことができます。ただし、取引先の消費税負担に影響があるので、そこがどうなるのか?という点が議論を呼んでいるポイントです。
もちろん、インボイスの発行事業者となるために「適格請求書発行事業者の登録」をおこなうことができますが、その場合、「適格請求書発行事業者の登録」をして、確定申告と別に、消費税の申告と納付を行わなければなりません。では その消費税の申告の方法は どうなっているのでしょうか?
納付する消費税額は「売上の消費税額の合計から、支払った経費の消費税額の合計を差し引いた金額」です。それ以外に、特定の条件において「みなし仕入率」を適用する「簡易課税制度」もあります。また、従来の消費税の計算方式とは異なり、売り上げ全体の消費税額から8割をさしひいた2割の金額を納付するという特例もあります。こちらの対象となるのは今年の10月1日から令和8年9月30日までの期間の売り上げについてで、全ての業種で適用されます。この特例を受けるためには「適格請求書発行業者の登録」が必要です。
売上の消費税額の合計から、支払った経費の消費税額の合計を差し引く。これはかなり大変な作業ですよね。それ以外に、一定の条件によって「みなし仕入率」を適用するという方法。そして今回の特例で、支払った消費税の総額の2割を申告するという方法もある、ということですが、、、 (理解するのが難しいです。)ここは専門家のアドバイスが欲しいところです。詳しくは、お近くの税理士さんにご相談ください。今月は、「インボイス制度」について、東京税理士会の、山崎浩之さんに教えていただきました。ありがとうございました。