毎月1回、税についての「頼れるパートナー」として税理士さんによる税のワンポイント解説をお届けしています。今月は、会社員の方は知っておいていただきたい、給与明細の見方です。

給料の「手取りの金額」、つまり会社から受け取る金額は、額面より少ない金額です。*税金が天引きされているから、ですよね。天引きされる税金には、所得税と住民税の二種類がありますが、今朝は「住民税」について、東京税理士会の澤田祐子さんに教えていただきます。

会社員など、給料をもらっている人の住民税は、原則として、給与天引きで、会社が従業員に代わって 市区町村に税金を支払います。これを特別徴収といいます。

住民税は、その年の11日に住所のある都道府県、市区町村で課税されます。前の年の年末調整の結果をもとに、市区町村が都道府県分も合わせて住民税を計算し、給与から天引きする金額を会社に通知します。会社は、住民税の1年分の額を12分割した金額を、その年6月から翌年5月までの期間で給料から差し引いて、納税します。つまり、新卒で就職した場合には、2年目の6月から住民税の天引きがはじまります。なお、賞与、つまりボーナスからは住民税は引かれません。

新卒で就職して2年目、という場合には、新卒当時に引かれていなかった住民税分がマイナスされるわけですね。(新卒入社で今2年目のみなさん、来月から、ちょっと手取りが減りますが、そういう仕組みですので。)転職した場合も同じように計算されますが、前の会社から新しい会社への引き継ぎには時間がかかる場合があります。手続きが間に合わないときは、自分で納税するか、または前の会社に依頼すれば、まとめて数カ月分の住民税を天引きしてもらうこともできます。それでは、例えば副業をしているという場合には、どの様になるのでしょうか。

副業をしている場合などで確定申告をしたときは、確定申告の内容で住民税が計算され、6月から天引きされる金額が変わります。つまり、そこで副業していることが会社に知られることになります。副業部分の住民税額を会社に知られたくない場合には、確定申告書の中にある「住民税の徴収方法」の「自分で納付」の欄にマルを付けて提出すると、副業部分の住民税は、毎月の給料から引かれる税金とは別に、自宅に、副業で支払うべき住民税の納付書が送られて来る、ということになります。

「副業」は認められているものの、さまざまな事情で会社にくわしい金額などを知られたくない、という場合もあるでしょう。そんな時は、確定申告の時に申告表の「住民税の徴収方法」を「自分で納付」にすると、給料と副業に関する住民税が、別々になる、ということですね。今月は、「住民税」について、東京税理士会の澤田祐子さんに教えていただきました。ありがとうございました。