毎月1回、税についての「頼れるパートナー」税理士さんによる税のワンポイント解説をお届けしています。今回は、株式にまつわる税金のお話です。東京税理士会の清水久隆さんに教えていただきます。
まずは、株式について、どんな場合に税金がかかることになるのでしょうか。
税金がかかるのは、株式の売却によって利益が出た場合、または、企業から利益の一部として配当金が分配された場合です。
通常は、所得税及び復興特別所得税が15.315%と住民税5%がかかります。また、損益通算という仕組みがあり、ある株を売って利益が出たものの、他の株を売って損失が出た場合、プラスとマイナスを相殺することができ、プラスの分だけに税金がかかることになります。
株を売って損失が出た場合、他の株も含めた配当からその損失を差し引くこともできます。同じ銘柄の株式を何度も取得し 売却を繰り返した場合は、株式の購入単価を平均した金額で 収支を計算し、課税の対象となる金額を決定します。
株式を売ったときの、収支のプラスとマイナスについては相殺できる。また、同じ株式を何度も取得した場合は、購入した平均の単価で計算する、ということですね。株式を購入した証券会社で計算し、確定申告用の証明書を発行してくれる場合もある、とのこと。それでは、最近話題になっているNISAや積み立てNISAなどの制度を使った場合の税制優遇措置についてはどうなっているのでしょうか。
NISAは、上場株式などの配当金、分配金、譲渡益を最長5年間 非課税にする制度です。毎年120万円まで投資が可能で、5年間利用することができるので、トータル600万円までの投資額にかかる運用利益が非課税になります。つみたてNISAは、一定の投資信託を対象とした運用利益が非課税になる制度です。こちらは、毎年40万円まで投資が可能で、20年間の利用でトータル800万円までの投資額にかかる運用利益が非課税になります。通常、運用利益にはおよそ20%の税金がかかりますので、これらのNISAを利用すればその分お得な制度になります。ただし、損益通算については一般の口座とルールが異なるので注意が必要です。
株式の譲渡益については、確定申告が必要です。会社員のみなさんも、株式の売却によって得られる譲渡益(値上がりした分の利益)については、年末調整の対象外となるため、確定申告が必要となります。
*詳しくは、税理士さんにご相談ください。今月は、株式にまつわる税金について、東京税理士会の清水久隆さんに教えていただきました。ありがとうございました。