今週は、リスナーのSEIJIさんから、退職金についての質問にお答えします。「退職金の確定申告について、詳しく知りたい」ということなんですが、まずは、基本的なことを確認しましょう。
そもそも、退職金や企業年金には税金がかかるのでしょうか?東京税理士会の髙畠 久之さんに 教えていただきます。
勤務先から受け取る退職金や、一括で受け取る企業年金は、退職所得となりますが、退職所得控除額以下であれば、納税はありません。 退職所得控除額は、勤続一年あたり40万円で、20年を超えると一年あたり70万円になります。たとえば22歳から60歳まで38年間、同じ会社に勤務した場合は、退職所得控除額が2,060万円にもなり、これ以下ならば所得税と住民税は課税されません。超えた場合は、超えた額の半分が課税対象となり、勤務先で税金計算をして源泉徴収されることで全て納税が済んだことになります。課税される可能性がある方は、インターネットで退職金の税金計算ができるサイトがあるので検索してみてください。
*課税される場合でも、源泉徴収されているので、特に申告は必要ない、ということですね。ただし、これは、退職金や企業年金を「一括で」受け取る場合です。では、退職金と企業年金を、一括ではなく、分割して受けとる場合の申告について教えて下さい。
企業年金を、退職金とは別にあとから一括で受け取った場合は、一時所得として確定申告をする必要があります。また分割して年金で受け取った場合は、他の公的年金などと合算し、雑所得として課税対象になります。公的年金には、主に国民年金、厚生年金、確定給付企業年金、確定拠出年金などがあります。公的年金の合計額が年間400万円以下、なおかつ、公的年金以外の雑所得で、収入から経費を差し引いた所得金額が 年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。
企業年金を、退職金とは別に あとから受けとった場合は、課税対象になる、ということですね。~そのほか、退職後に、年金を受給しながら働いている場合などは所得の金額によって、税金が変わってきます。 詳しくはお近くの税理士さんに相談して下さい。今月の税のワンポイント解説は、退職金の確定申告について、東京税理士会の髙畠 久之さんに 教えていただきました。
ありがとうございました。