税についての「頼れるパートナー」として税理士さんによる税のワンポイント解説をお届けします。

今回は、リスナーのエリさんからの質問に応えていただきます。  まずはエリさんの質問内容、、、

今年、母と同居し、私の扶養家族になってもらいました。私は会社勤めで、私自身の医療費も年間10万円以上かかっているので、来年は確定申告をするつもりですが、申告に必要なポイントを教えて下さい。母の医療費の領収書も 全て 私が管理する必要がありますか?

「扶養家族になってもらった」という表現になっているのはお母様が扶養家族になると、税金の控除があるからなんですね。さあ、では、税金の控除を受けるには、どんな手続きが必要なのか、教えていただきましょう。東京税理士会の守屋みゆきさん、お願いします。

まず、お母様が扶養家族、、、法律的には扶養親族と言いますが、お母様が扶養親族になったことについて、こちらは、会社への報告が必要です。

具体的には「給与所得者の扶養控除等申告書」という書類なのですが、その書類は、会社からもらうか、または国税庁のホームページでダウンロードしてそこに記入してください。

そして、お聞きのみなさんの中でもエリさんと同じように、お父様やお母様を扶養親族に、と考えている方がいらっしゃると思いますが、扶養親族になれるのは、合計所得金額が38万円以下の方です。

この合計所得金額とは、例えば、給与、年金、家賃収入など、すべての収入金額からそれぞれの控除額や経費を引いた金額です。お母様の年齢などによって、金額は変わりますので、詳しくはお近くの税理士にご相談下さい。

お母様が扶養親族になったことについて、こちらは、会社への報告が必要ということですね。あと、医療費についての質問もありました。お母様の医療費の領収書は、娘のエリさんが管理する必要があるのでしょうか?そして、基本的なポイントとして、「医療費」の控除についても、ご説明いただきましょう。

医療費は一定の金額以上を支払った場合に、控除が受けられます。これは、会社員の場合でも会社が行う年末調整では控除が受けられませんので、自分で手続きする必要があります。また、この医療費控除は、自分だけでなく、生計をひとつにする配偶者や親族の分も対象となります。

つまり、エリさんの場合は、扶養親族であるお母様の分も対象です。そして領収書はお母様の分もまとめて管理して下さい。手続きに必要なのは、「医療費控除の明細書」、という書類で、こちらも国税庁のウェブサイトからダウンロードして記入してください。領収書の提出は必要ありませんが、領収書は5年間保存する義務があります。 

医療費控除は、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けられます。

扶養親族の分も合計して10万円を越えた場合、ということですので心当たりのある方は調べて 申告してください。

通常の確定申告では、2月16日から3月15日のあいだに確定申告書を提出しますが、医療費控除の還付を受けるだけの確定申告であれば、2月16日より前でも 税務署に提出できます。