10月から消費税が増税となりますが、高い買い物の一つ、自動車でも支払う税金が変わります。どのタイミングでどんなクルマを買うと、お得になるのでしょう?東京税理士会の 赤羽秀樹さんに教えていただきます。まずは、来月から、自動車に関する税金は、どのように変わるのですか?

まず10月から、消費税が8%から10%に引き上げられます。

同時に自動車取得税は9月末で廃止になり、代わって10月からは環境性能割という新たな税金が導入されます。

また自動車税については、10月以降に新車登録する車の場合、排気量によって、年額1000円から4500円安くなります。なお、自動車重量税は10月以後も現在の制度と同じで変わりません。

自動車を買う時の消費税が8%から10%に変更になる。(これは、そうですよね) そのかわり、今まであった自動車取得税が廃止され、「環境性能割」という税金が導入。 また、自動車税は安くなるんですね。 ということは、結論としてクルマは高くなりますか?

重量税と自動車税は10月以後に購入しても大きな影響はありません。そこで自動車取得税と10月から導入される環境性能割の増減で考えてみましょう。

300万円の自家用乗用車を新車で購入した場合の税金を比較してみます。まず消費税額は9月末までに購入すれば24万円、10月からは30万円なので、6万円高くなります。自動車取得税と環境性能割の税率は、燃費性能等によって異なります。いわゆる星4つでかつ2020年度燃費基準を達成したガソリン車の場合、自動車取得税は64,800円、環境性能割27,000円となり、差額37,800円が安くなっても、トータルで10月以後は高くなります。

同じ星4つでかつ2020年度燃費基準+10%を達成したガソリン車の場合、自動車取得税が60,700円、環境性能割は非課税となり、僅かですが10月以後の方が安くなります。

「環境性能割」という税金が大きく影響する、ということですね。つまり、燃費性能によってお得度合いが変わる、ということですが、具体的に 9月中に買った方がいいのは、どんなケースでしょうか?

ポイントは、車両価格及び自動車取得税と10月以後の環境性能割との差額です。

電気自動車等については、自動車取得税、環境性能割ともに非課税で、10月以後は消費税増加分だけ高くなるので、9月までに購入した方が絶対お得と言えます。その他の場合は、エコカー減税の継続や環境性能割の臨時的軽減といった措置の関係で、ケースバイケースとなります。

また税金面以外では、10月以後、ディーラーが駆け込み需要の反動減対策を行うことも考えられます。商談次第では10月以後の方が良い条件で車を購入することができるかもしれません。

  • 電気自動車の場合は、9月中に買う方がお得。
  • そのほかの場合は、環境性能割について、どのくらいの額になるのか、購入している車種のことを調べてみてからがよさそうですね。

今月のワンポイント解説は「自動車税の新しい制度」をテーマにお送りしました