毎月1回、税についての「頼れるパートナー」として、税理士さんによるわかりやすい税のワンポイント解説をお届けしています。今朝のテーマは、「年末調整」です。会社におつとめの方、ありますよね?年末調整。実は、今年から、少し変わりました。まずは、東京税理士会の武田 憲二さんに、「年末調整」について、去年と違う注意点はどんなところなのか、教えていただきました。

昨年の平成29年度までは、勤務先に「保険料控除申告書 配偶者特別控除申告書」を提出しましたが、今年度からは勤務先への提出書類の様式が変更され、記載事項が変わります。具体的には「保険料控除申告書」と、「配偶者控除等申告書」の2枚に分かれました。「保険料控除申告書」に書く内容はいままでのとおりです。そして配偶者控除または配偶者特別控除のいずれかを受ける場合に「配偶者控除等申告書」の提出が必要になりました。

一つの書類にまとめられていたものが、「保険料控除申告書」と、「配偶者控除等申告書」の二つになった、ということですね。~配偶者がいる場合、新しい書類の「配偶者控除等申告書」の提出が必要となりました。そして、配偶者がいる場合、控除について 見直しがあったそうで武田さんに解説していただきます。

結婚している方の優遇措置としての、配偶者控除と配偶者特別控除に大幅な見直しがありました。昨年の平成29年度までは、夫婦共働きの場合、たとえば妻がパート収入のみで1年間の収入が103万円以下であれば、夫は38万円の配偶者控除を受けることができました。そして妻の収入が103万円を超えると、夫は配偶者控除を受けることができず、代わりに配偶者特別控除を受けることができるものでした。今年度からは所得制限が設けられ、配偶者控除については夫の所得が900万円(サラリーマンの場合には年収1120万円)を超えると控除額が縮小。さらに所得が1000万円(サラリーマンの場合には年収1220万円)を超えると、控除額がゼロとなります。配偶者控除については、例えば妻のパート収入が150万円以下であれば、最高で38万円の控除が受けられることとなりました。また配偶者特別控除については、去年まではパート収入が141万円未満でなければ受けられませんでしたが、201万6千円未満まで控除の枠が拡大されました。

去年までは「103万円の壁」などと言われていた配偶者のパート収入。配偶者控除を受けられるのは150万円以下に、配偶者特別控除は201万6千円未満、というように年間収入額は拡大されました。ただし 税金を納める本人の収入が高い場合は、控除が受けられなくなる、ということなんですね。共働きの場合、それぞれの収入について、もう一度チェックしてみる必要がありそうです。より詳しくは税理士さんにご相談ください。

今月のワンポイント解説は、「年末調整」をテーマにお送りしました。東京税理士会の武田 憲二さん、ありがとうございました。