今朝登場するのは この方です!ライフセーバーの飯沼 誠司さんです。飯沼さんといえば、タレントとしての活動もされていますが、本業はライフセーバーです。3歳から水泳を始められて、小学校では競泳の平泳ぎでジュニアオリンピックに出場しています。ライフセービングには大学の部活で出会いました。その後、アイアンマンレース(トライアスロンよりも距離が長いレースです)では、前人未到の全日本選手権5連覇を果たしています。(5連覇!すごい!)

さぁ、この夏、海水浴場でライフセーバーを見かけた...という方もいるんじゃないでしょうか?まずは飯沼さんに、改めてライフセーバーがどんなことをしているのか、伺いました。
「はい、水辺の事故防止、万が一事故が起きた時にはいち早くレスキューするという、水辺の人命救助のエキスパートというような活動ですよね。普段は千葉県の館山市と南房総市の千倉のどちらかの海に大体います。沖で水中バイクに乗っていたり、浜で監視していたり、その日のシフトによってだいぶ違うんですけれども、我々は事故を未然に防がないといけないということで、ライフセーバーとしてまず大事なのは「見る」ということです。特にライフセービングの統計でも、波打ち際 50M未満での事故が一番多いんですよね。沖の足がつかないとか、100Mとか200Mとかでの事故が多いようなイメージなんですけれども、実際は波打ち際から50M未満が一番事故が多いので、実際にこの時期も僕も普通に監視をして何かあれば救助するというような動きをしています。」
波打ち際 50m以内で 事故が起こることが多いんですね。溺れる前に助ける、未然防ぐとおっしゃっていましたが、これは本当に厳しい訓練をしないと、人命救助は簡単にはできないですよね。 ライフセーバーの皆さんは、心肺蘇生や水のリスクをちゃんと訓練して得る事ができる日本ライフセービング協会の資格を持って活動をしているそうです。実際に救命の最前線に立たれている飯沼さん。毎日、どうやってトレーニングをしているんでしょうか?
「我々は毎日、活動の時間が大体、朝8時から夕方5時くらいまででビーチクリーンから監視活動が始まって、夕方またビーチクリーニングするんですけれども、その前後に海でトレーニングしますね。特に朝、早朝のトレーニングというのは、海の状況を知るという意味でも、我々はきちんと入って、今日は波がそんなに大きくないけれども流れが速いねとか、急に50M先から水が冷たいとか、あとクラゲがすごい多いとか、そういったことも体感してその日の海の状況をお客さんに伝えるということも含めて、朝一番でトレーニングするということが多いですね。それで、ライフセービングの救助力を上げるというために、競技会ができて、その競技力が上がるということが、救助力も上がると。そういう意味でも我々は競技会にもモチベーションを持って今参加しているので。」
実際の救助では、レスキュー用のサーフボードのような、ライフセーバー専用のボードを使って、救助者を乗せて返ってきたりするそうなのですが、救助者の意識があるのか、無いのかでも対応が大きく違ったりするので、状況によって的確な判断力が求められるそうです。そして競技のお話もしてくださいましたが、なんと飯沼さんは現在 ライフセービング競技の日本代表監督を務められています。更に、日本ライフセービング協会の競技力強化委員長も務められていて、世界に通用するライフセーバーを育てる取り組みも行っています。最後に、飯沼さんにライフセービングの魅力について伺いました。
「僕自身、代表監督としては指導者の立場なんですが、実際に浜で監視している時は イチライフセーバーですし、20年間変わらない気持ちで、自然と触れ合う中で勉強になりますし、例えばいろんな競技で活躍しても自然の中では全くかなわないこともありますから、そういった意味では追求しても追求しきれないというか、極めることがなかなかできないスポーツとして、非常にライフセービングの競技は魅力がありますね。そしてその延長に救助があるので、いろんな救助を今まで経験してきて、こうすればよかった、ああすれば良かったという試行錯誤の中でやってますから、これからもどう速く救助するか、どうチーム力を上げて行くかというところがライフセービングの魅力ですね。」
飯沼さんは、11月にオランダで行われる「オレンジカップ」という国際大会に日本代表監督として参加されるそうです。頑張ってください!!