今朝登場するのは、アルティメット女子日本代表 森 友紀監督です。森監督は、大学でアルティメットに出会い、2003年に日本代表に選出され、その後2012年まで日本代表で活躍されます。2012年には、なんと世界選手権で優勝!金メダルを獲得してるんです!

現在は、来年行われる世界選手権に向けた女子日本代表の監督で、今年はU-23の女子日本代表のコーチを務められています。

さぁ、「アルティメット」、皆さんどんな競技か、知ってますか?コートはサッカーコートの3分の2くらいの広さで、フライングディスクという、解りやすくいうと、フリスビーをイメージしてください。これを使うんですね。さぁ実際にどのように競技を行うのか、森監督に伺いました。

「アルティメットは7人制のチーム競技です。フライングディスクを一度も落とさずにパスをつないでいって、相手の陣地にゴールゾーンというか、エンドゾーン...この中でパスが通れば1点ですよといわれているエリアがあるので、そこにパスが通ったら1点になります。

ただし、フライングディスクを持った選手は歩けないんですね。さらに10秒以内にパスを出さないといけないというルールがあるので、状況判断をしながら、パスをつないでいくという能力が求められますね。

アルティメットって日本語でいうと"究極"という意味なんですけど、本当に究極だなと思うんですよね、究極のチームスポーツだなと感じます。その理由は、例えばサッカーだったら、1人のスーパープレイヤーがいるとその1人で得点を取るという場面も可能ですよね。でもアルティメットはディスクを持った選手が走ったり歩く事はできないので、周りの6人の選手が、しかも10秒以内にパスを取りにこないといけない、つながないといけない。プラス、風に左右されやすいフライングディスクを使うことで、いろんなことを考えながら、状況判断しながら、かつ味方を活かしながら、得点を取るというのはすごく魅力なんじゃないかなと思いますね。」

そして、コメントの中で「アルティメットは究極の競技だ」とおっしゃっていましたが、もう一つ、アルティメットを知る上で、これぞ究極...という、もっとも重要なルールがあるんです。森さん、教えて下さい。

「更に大事な事があって、「セルフジャッジ制」といって、審判が存在しない競技なんですよ。中のプレイヤー達が判断してゲームが進んでいくんです。基本的にオフェンスの人がコールすることが多いですよね。自分がディスクを取りに行こうとした時に当たられて落としてしまった...今のファールだよね?というコールが一番多いですかね。

みんなこれ若い時とか、始めた時に経験していることだと思うんですけど、結局自分にすごく問われるんですよね。例えば、相手にファールコールを言われた時に、本当は当たっちゃったなと思っていたとしても、その1点で勝負が決まる瞬間って中々受け入れがたい時って人間あるじゃないですか?気持ちも高揚しているし、勝ちたいし。「いや、ファールはしてない!」って言ってしまった経験ってきっと誰でもあると思うんですよ。でも、結局それで何が起こるかというと、びっくりするくらい自分に返って来るんですよ...。罪悪感というか、なんであのとき受け入れられなかったのか...っていう経験って皆するんです。じゃあそれを試合中ずっと引きずるよりはそこでしっかり、「当たっちゃってすいません」と切り替えてどれだけ早く切り替えて次のプレーに行けるか...ここはすごく、一流のプレイヤーになるかならないかのポイントだと思いますね。」

いやー、まさに究極です。セルフジャッジ制!!しかも、これ、当然 「世界選手権」もセルフジャッジなんだそうです・・・さぁ、最後に森監督の今後の目標、伺いました!

「一番大きいのは来年の世界選手権 A代表で 日本初の連覇達成です。それに向けて今年はU-23の世界大会があります。前回は準優勝。今回は金メダルをとりにいきたいと思います。アルティメットって世界大会は17点先取制なんですね。一番の自分の理想は17点全部違うパターンで得点を取る。それができたらすごく楽しいなと常に思ってますし、選手にも話してます。みてる方達にとってもそれって凄くワクワク感を与えられるかなって思っています。」

アルティメットに興味を持たれた方、全日本選手権の決勝が明日、富士通スタジアム川崎で行われます。また、来週12日からは 森さんがコーチとして帯同する U-23の世界大会がロンドンで開催されます。金メダル目指して頑張ってください!