今朝は北陸・石川県から。これから旬を迎える秋冬の地元食材、能登半島だけの特別な品種の高級しいたけ「のとてまり」をご紹介します。

今朝は石川県能登半島です。金沢から電車でもクルマでもおよそ2時間かかる奥能登。羽田からだと「のと里山空港」まで1時間のフライトです。豊かな自然と穏やかな海。その恵みを授かる地元の人々は古くから土地の神に感謝し、大自然に祈りを捧げてきました。

能登には、キリコ祭りなどをはじめとして1300年以上続くとされる農耕文化に根ざした伝統行事や祭りが数多く残っていて、地域の暮らしと密接に結びついています。能登の風習や文化は、国連食糧農業機関(FAO)からも高く評価され、2011年、世界農業遺産として登録されました。

●最高級ブランドしいたけの「のとてまり」。

能登は古くから「干ししいたけ」の産地として知られ、昭和の全盛期には「乾燥しいたけ」が、年間100トンほど生産されていました。しかし価格の安い中国産の台頭や、栽培農家の高齢化、原木不足などで現在の生産量は1/10になってしまいました。そこでせっかく受け継いできた地元の里山を維持する意味もこめて、「しいたけ」のブランド化がスタートしたのです。

1990年代から新しいきのこ菌の種「115」を使った生椎茸を生産。その中で大きくて丸みを帯びた、原木1本から1つ採れるか採れないかという貴重な しいたけのみが「のとてまり」として認められます。収穫量の少なさから幻とも言われるくらい貴重なしいたけです。

もっともシンプルでおいしくいただく調理法は、かつおぶしからとった出汁醤油を塗りながら、炭火であぶる「焼き椎茸」。肉厚のかさの部分を噛みしめるほどに、じわじわとしみ出すアミノ酸たっぷりの出汁は絶品です。朝はおすましの中に薄切りにした「のとてまり」を入れてどうぞ。

今朝は石川県能登半島の「のとてまり」をご紹介しました。「のとてまり」として認められるためには、かさの直径が8センチ以上、厚みが3センチ以上、そして巻き込みが1センチ以上という基準をクリアする必要があるのだそうです。