今朝は地中海に面する国、ギリシャから、夏の野菜を使ったオーブン料理「ゲミスタ」を紹介します。

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今朝は南ヨーロッパに位置する国「ギリシャ共和国」です。

首都アテネから西へおよそ190キロにある町「オリンピア」。古代オリンピック発祥の地とされ、その遺跡も残っています。起源としてはさまざまな説ありますが、紀元前8世紀に疫病の流行に悩んだ王「イフィトス」が、当時ギリシャにたくさん存在した「都市国家」同士の争いをやめ、競技会を始めたという説が有力とされています。全能の神「ゼウス」への奉納のお祭りとして1000年以上にわたって開催され、古代の人々は、さまざまな競技で競い合いました。

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オリンピアの遺跡は、やがて地震や川の氾濫によって埋もれてしまいましたが、19世紀の発掘によって、古代オリンピックの様子が分かるようになりました。遺跡の入り口にある「ギムナシオン(体育場)」は、建物中央の中庭でトレーニングが行われたとされ、現代の「ジム」の語源ともなった場所。隣接する「パレストラ(闘技場)」は、レスリングやボクシングなど格闘技のトレーニング、「スタジアム(競技場)」はトラック競技が行われたとされ、今も白いスタート板とゴール板が残っています。この「オリンピアの古代遺跡」は、1989年、世界遺産に登録されました。

ギリシャの定番料理は夏野菜を使った「ゲミスタ」です。

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「ゲミスタ」とは、「詰め物」という意味のギリシャ語で、現地の人々にとって食卓に欠かせない料理のひとつ。トマトやピーマンなどの野菜をくりぬき、その中にごはんや挽肉などを詰めて、じっくりとオーブンで焼きます。炊き込んだお米と、野菜が柔らかくなるまで焼き上げることで、野菜から出るエキスが染みて、味わい深く食べられます。つけあわせには皮付きのスライスポテトがポピュラー。焙煎したコーヒー豆の粉末を、鍋で煮出したコーヒーと一緒にどうぞ。

今朝はギリシャの「ゲミスタ」をご紹介しました。

現地では、今のシーズンの夏野菜の詰め物がポピュラーですが、いわゆる「いかめし」も「ゲミスタ」の一種なんだそうです。東京では浅草橋にあるギリシャ家庭料理「ΦΙΛΟΙ(フィリ)」でナスやポテトなどが入ったグラタン「ムサカ」や、ほうれん草のパイ包み「スパナコピタ」などのギリシャ料理とともに、夏野菜の「ゲミスタ」がテイクアウト・メニューになっています。