今朝はインド南部の内陸にある村「ハンピ」です。14世紀前半にはヴィジャヤナガラ王国の首都として立派な王宮をはじめ、数々のヒンドゥー教の寺院が建ち綿花と香辛料の貿易によって栄えました。しかし都市は16世紀半ばにイスラム勢力に攻略され衰退。今では遺跡が残る村となっています。

風化の危機から救おうと、1981年から古い都の貴重な遺跡修復が進められてきました。村の周辺は奇妙な形の巨大な石がごろごろと横たわり、高台の「マータンガ丘」から見る光景は一面岩だらけ。1986年には「ハンピの建造物群」として世界遺産に登録されました。

●南インドの朝は「イドゥリ」ではじまります

「イドゥリ」は、白くて丸い、蒸しパンケーキのような食べ物です。その作り方は、イドゥリという種類のインディカ米と、ウラドダルという豆の一種を水を吸わせてからすりつぶし、ペースト状にします。

そこに塩を振って混ぜてから ひと晩発酵させ、生地を「イドゥリ蒸し器」に流し込んでふっくら膨らむまで蒸し上げればできあがり。

ココナッツや青唐辛子、カレーリーフを使ったスパイシーな「チャツネ」で味の変化をつけ、あつあつのまま、ホクホクした食感を楽しみます。たっぷりの紅茶と一緒にいただきましょう。

屋台でも売っている軽食ですが、家庭料理としても一般的で、専用の「イドゥリ蒸し器」はどの家庭にもあるのだとか。