今朝は三重県の桑名市です。

「日本書紀」にもその名前が出てくる「桑名」は、江戸時代、東海道の42番目の宿場町として栄えました。当時は「七里の渡」という海上の渡し舟があり、船着き場の横には伊勢神宮へのお参りに向かう人々の入口の意味を持つ大きな鳥居がそびえ立っています。

また歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」でも描かれた、お城のような「蟠龍櫓」という建物がすぐそばに建っています。名前に出てくる「龍」は水を司るとされる想像上の動物ですが、航海の安全のため「龍」の「やぐら」にしたとされています。

桑名の名物は「はまぐり」です。

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          桑名市は、三つの大きな川が伊勢湾に流れる河口にあるため、桑名の「はまぐり」は川と海水の栄養分をたっぷり含んでいます。そのため、たっぷりと中味が詰まっていて、 プリプリとした食感や、ジューシーな出汁が特徴。江戸時代には特産品として幕府に献上されていました。弥次さん、喜多さんでおなじみの「東海道中膝栗毛」にも「はまぐり」を松ぼっくりで焼いて食べる、という場面があります。

もちろん殼ごとの「焼きはまぐり」が一番ポピュラーですが、「しゃぶしゃぶ」「酒蒸し」「磯辺揚げ」などレシピはさまざま。ちょうど今、身が肥えた旬の時期です。朝は昆布と「はまぐり」をじっくりと煮出した、お吸い物でいただきましょう。