今朝は中東・イエメン共和国です。

今朝ご紹介するソコトラ島は、アラビア半島南西部のイエメン本土から、およそ300キロメートル南、インド洋に浮かぶ島で、広さは沖縄本島のおよそ3倍。そこは独特の生態系が進化した自然が残っていて、300種以上の、島固有の動植物をはぐくんできました。

キノコのような形をした大木の「竜血樹」から取れる赤い樹液は、古代ローマ時代や中世ヨーロッパ、中国では薬として珍重されました。また、「砂漠のバラ」とも呼ばれる「アデニウム」は、ボトルのような幹の先にピンク色の可愛い花を咲かせます。そんな、生物多様性からソコトラ島は「インド洋のガラパゴス」とも呼ばれ、2008年には世界遺産に登録されました。

●イエメンの料理はスパイスの「フェヌグリーク」が決め手。

 日本ではあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、「フェヌグリーク」は、カレーには必ずといっていいほど使われるスパイス。甘い香りとホロ苦い味で、炒め物やスープに隠し味として使います。味の深みが出るだけでなく、健康にも効能があるとされています。

イスラム教の国ではきのうから「ラマダン」が始まりました。年に一度「断食」の期間で、日が昇ってから沈むまでの間、食べ物や飲み物を口にしない「修業」がほぼ1ヶ月続きます。

暗いうちに起きて、朝ごはんをしっかりと食べ、夜になるとまた翌日に備えてしっかりと食べる。そんな生活をささえるのが「サルタ」という国民食です。ヤギなどの肉を「フェヌグリーク」で煮込んで、お米や野菜、ジャガイモを添えたシチューです。

イエメンが本場「モカ・マタリ豆」のコーヒーとともにどうぞ。